第3話 誰ひとり会わない
坂を上ったり、下ったりを何度か繰り返して「市街地」のような場所に出た。
…が、人が誰ひとり歩いていない。普通は数人くらい歩いていてもおかしくないが、なぜだか誰ひとりいない。
しかし、街を照らし出している外灯や建物の電気はしっかりついているので誰もいないという訳ではなさそうだが、少々誰ひとり歩いていないのは気味が悪い。
というか、湖上のボートに居たときから思っていたことがある。
「湖上でも、ここ(市街地)でもそうだったが、人に会わないのは何故だろう…?ここまで、誰ひとり会わないのは変…」
一応、案内板もあるし市街地も店や会社などが多く立ち並んでいるので文明はありそうだし、街の様子から人が生活していそうな雰囲気はある。ただ、確証がないので「断言」は出来ないが。
そして、未だに正確な現在地が分からない。あの経年劣化で、ほとんど読めない案内板によると「上○市」ってのは分かるが、さすがにその情報だけではまだ、該当する場所も多く、これだけの情報だけではよく分からない。
土地勘のある人や地理が得意な人には、この情報だけで場所が分かるらしいが、自分にはそういった知識を持ち合わせていないので、当たり前だが分からない。
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