再開

カルカは森を抜けしばらく歩いてると大きな都市に出る。大都市プラートにも負けていないであろう都市の発展具合にカルカは思わず感嘆のを声出しそうになる程だ。道路では乗り物らしき物体がコンクリートの道路を行ったり来たりしている。


「とても大きな都市のようね 。 もしかしたらあの2人も見つかるかもしれない」


あまり期待はしてないがやはり見知らぬ土地で1人というは心細いのであろう。

街を歩いている最中は多くの人が、カルカに好奇の目を向けてくる。鎧を身につけているため注目を浴びてしまうの当然だ。カルカは更に歩いてるとある異変に気づく。何者かがカルカの後ろをゆっくりと、確実に後をつけてきているのだ。普段なら神官団や騎士団による強固な守りがあるが今はもうそんなもの達はいない


「まさかヤルダバオトの追っ手?」このまま見知らぬ土地まで追い詰められ殺されるかもしれないくらいなら意を決して立ち向かうのが生存率が少しでも高いであろうと振り返り、深呼吸をしてから自身から話しかける。


「先程から私の後をつけている人、姿を現してはどうです?私は逃げも隠れもしません!」


つかの間静寂が訪れ、追跡者が正体を表す。


「カルカ様…でいらっしゃいますか?」


物陰から姿を現したのはローブル聖王国神官団団長でもありカルカの数少ない親友でもあるケラルト・カストディオであった。


「うそ…ケラルト!?」

「はい、ケラルト・カストディオです!」

「よかった…無事だったのね。」


上下関係では聖王女カルカの方が上だが、何よりも親友同士が再会出来たことがとても嬉しかったのであろう、2人はそんなことを気にせず、抱擁を交わす。


「あー…カルカ様?積もる話もありますがまずは場所を変えませんか?」


そう言われ辺りを見回すと住宅街だったの思い出し思わず赤面する。


「そ、そうですね。どこか人の少ない所へ。」


2人は移動を開始し、人気の無いところを探し、やがて人気の無い橋の下へとたどり着く。


「ではカルカ様、改めて状況を整理しましょうか。」

「ええ。」

「2人共魔皇ヤルダバオトに殺されたとこまでは共通で、気がついたらこの世界に転移(仮)し流れ着いた場所はバラバラのとこまでは合っていますね?」


ケラルトが拾った2つの石を使って説明する。


「ええ、そうね。私は森のようなとこにいました。そしてケラルトは街の中ですね。」

「合っています。以上を踏まえて、姉様が見当たらないということは。」 「まだ聖王国で生きている又はこの世界のどこかにいるかもしれない、のどちらかですね。」

「仰る通りです。姉様の事ですし、しぶとく生きていますよ、きっと。」

「そうだといいけれど…。」


カルカは少し複雑な気分に苛まれる。家族同様の存在に感じているレメディオスには元気に生きていて欲しいが、また彼女に再開したいという気持ちが彼女の心を板挟みする。

しかし今考えるべきはこの先どう生きて行くかのが重要だ、生きていればまた会えるかもしれないからと思考を切り替える。


「カルカ様、暗い顔をなさらないでください、良い話もあるんですよ。この世界の文字は全く読めませんが幸いなことに言葉は通じるようです。かなり不安でしたが、何とか会話は成立しました。」

「不幸中の幸い…ね。」

「では次に、この世界の文明レベルについてですが…。カルカ様はどう推察されますか?」

「そうね。全部見た訳では無いけれど、とても進んだ文明レベルを持っているようね。下手すると聖王国以上かと。」

「カルカ様と同意見です、見た事無いものだらけで驚きの連続ですよ。ただ…【人間種魅了】を使って聞いてみたのですが、私たちが使える位階魔法の概念というのは無さそうです、今後は人前で魔法を使うのはやめておいたほうが無難そうですね。捕まって火あぶりとかにされるなんてのはごめんですからね」

「あなたの言う通りね、気をつけます。」

「最後に1番大事なことですが…」


神妙な面持ちで即座に答える。


「これからどうやって生きていくか、ですね。」

「はい。でもこれに関してはこの世界の常識と法律を覚えればなんとでもなる気がします。まず区役所というとこで戸籍というもの手に入れなければ行けません。これはスレイン法国でいう住民台帳みたいなものでしょう。」

「住民台帳…ね。一緒に頑張りましょう、ケラルト。」

「分からないことだらけで大変でしょうけど、ご無理はなさらないでくださいね。」

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カルカ様、現代日本へ @lolio

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