第7話
[圭志、聞こえるか?]
俺は闇珠の声を聞き、龍牙の奴らに
「すまない、連絡が入った。少し待っててくれ」
そう言って、その場から少し離れる。
「闇珠?聞こえてる」
[すまない。淋が・・・言う事を聞いてくれない]
「どうしたんだ?」
[さっき言ったろ。頭の中がうるさいと・・・
淋がみんなへの話は、自分がすると言い張っているんだ。
何とかしてくれないか?]
「何だと?そんな事をしたら余計、ややこしくなるぞ」
[そうなんだが・・・淋が言うには・・
自分が龍牙と約束・・・・したから・・だから、
自分が利奈の事を・・・話・・たい、と・・・]
「ん?闇珠?どうした?」
そう問いかけた瞬間
[圭志様、お願いですっ!!私に話をさせてください]
「は?淋香?(淋か?)」
俺は突然の事に驚き、淋香と叫んでいた。
“まずいっ!!”
しかし、それを聞いた白龍は
「淋だって?」
と反応した。
“助かった~。
本当の名がバレたら、闇珠にとことん怒られる処だ。
あいつの怒りは簡単に収まらねぇから、
聞き違えてくれて助かったぜ”
すると、紫龍、黄龍、緑龍が
「淋さん、そこにいるんですか?無事なんですか?」
「そうだ!!淋。お前ら淋をどこにやった?」
「淋ちゃん、無事なんだな?良かった~」
と口々に言う。
3人とも淋の名を言うたび嬉しそうな顔をし、
そして心配していた。
すると
「淋の無事は、これで確認出来た。
良かった。後は利奈・・・か」
青龍・山下亮の言葉に、あとの3人は息を呑む。
“まぁ、そうだよな。
こいつらの目的は多分、2人の救出が最優先だろう。
あの女の事が分かるまでは、引かねぇか・・・”
しかし、今の状態のままあの女をこいつらに返せない。
薬がどれだけの量、体内に入ったか分からない以上、
全て抜けたと分かるまでは安心できない。
しかしこれは、俺の管轄内で起きた事。
責任は俺にある。
もしかすると淋香は
その責任を受けようとしているのかもしれない。
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