第6話

“おいおい・・・何もそこまでびっくりしなくてもいいだろ?”


俺はそう思いたくなるような間抜けづらを、じっと見ていた。

すると、

「あの、質問していいですか?」

丁寧な話し方をする男が、声を上げた。


「何だ?

 ・・・って言うか

 質問の前に、全員名乗ってから質問してくれ」


「あっ、失礼しました。

 俺は黒沢敦也。紫龍を名乗ってます」


「俺は山下亮。青龍だ」


「黒墨雷。黄龍」


「本橋友也。緑龍」


「松本祐樹。白龍」


“紫龍・青龍・黄龍・緑龍・白龍・・・か。


 黒沢敦也、こいつが闇珠の言っていた狼牙のNo.2・・・

 この5人の中のリーダーか。

 確か青龍は、副長のはずだが・・・”


そう思った時、

「あの、親戚とはどういう繋がりなんですか?」

紫龍が俺の繋がりを確認してきた。


すると

「敦也、それは俺が説明する。

 良いですよね?高塔さん」

鳴瀬が声を上げた。


「あぁ、頼む」


「ありがとうございます。


 敦也・・・

 妻の京子は、4兄妹の一番下。

 高塔さんは一番上の姉の子で、淋は長男の嫁の、弟の子。

 つまり高塔さんと淋は、俺の甥と姪だ」


「だから親戚筋で、間違いないだろ?」

「・・・・・そう、ですね」


鳴瀬の説明に同意した俺に、

紫龍は複雑な顔をしながら返事を返す。


“コイツ・・・いい目をしているな。


 勘がいいのか?まだ疑ってやがる。

 鳴瀬のカモフラージュは完璧だ。バレる心配はない。

 だが、それでも疑うコイツは・・・使えそうだな。

 俺の部下に欲しいところだ”


そんな事を思いながら、

少しの間龍牙の奴らと話していた。


龍牙・・・俺達闇の中で、敵として扱われていた奴ら。

しかし、話してみればそんな感じは全くない。


“やはり、ジジィの個人的な感情か・・・”


そう感じながら話していると、突然耳の通信機が作動した。

相手はもちろん淋香だ。あっ、今は闇珠か。


少し前、杉原の馬鹿げた妄想を

俺に伝えてきた淋香が、また通信してきた。

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