第5話

高塔 side



俺は闇珠に促され、龍牙の奴らと向き合うことになった。


“ったく・・・

 なんで俺が、こんな事しなきゃなんねぇんだ?

 クソッ”


そして、

部屋の外にいる龍牙のメンバーに会った。


部屋を出たと同時に

「たっ、高塔さん!?」

鳴瀬が俺に気付いた。



鳴瀬正。


俺の義母の妹の夫で、闇珠のメンバーに登録されている者。

しかし昔は龍牙の初代黄龍で、特攻隊長を勤めていた人物だ。

だからこいつは、龍牙にも面識がある。


「よぉ、鳴瀬。

 お前の後輩、無事に着いたようだな」

俺は闇珠の組織の中では、叔父よりも格上。

だからタメ口で話している。


“淋香にはやめろと言われているが、

 上の者が下の者に敬語は使えねぇよな”


「はい・・・あの、高塔さん。こいつらに、何か?」

「あぁ・・・闇珠がこいつらに、挨拶してこいってさ。

 後、伝えなきゃいけねぇこともあるしな」

「伝えること?」


そう鳴瀬と普通に話していると


「ショウさん!?なんで高塔と?

 ・・・親しいんですか?」


突然横から、龍牙の一人が聞いてきた。



確かにこいつらにとっては、気になるだろう。

闇の者と元黄龍が、立場逆転で話してるのだから・・・

しかし俺はこれをチャンスと思い


「これは失礼した。改めて挨拶させてくれ。


 俺の名は高塔圭志。

 表向きは高塔グルーブの常務だ。

 たが、裏はご存知の通り闇珠の総長・・・というかTOPだな。


 そして元黄龍の鳴瀬と親しいのは、親戚筋だからだ。

 あと、淋もな」


俺は自分の挨拶と共に、真実の一部を明かした。

鳴瀬と淋は、間違いなく俺の親戚だ。

本来なら隠しても良かったが、

淋の事があった為、隠すのをやめた。


すると、その場にいた現役の龍牙メンバーは


「「「「「はぁ?」」」」」


と5人揃って抜けた顔になった。

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