第15話

それから俺は準備に追われ、あの人を忘れていた・・・




その数時間後・・・夜が来た。



8時30分・・・イベントの開始時刻。



交差点近くで、総長が開始を宣言した。


本体は俺たち龍牙、そして主力の3チームで構成。

その他トップは全員参加!



交差点の入り口は6箇所。

北  龍牙

北西 狼牙

西  龍寅

東  碧龍 

南  華龍

南東 紫煙


各チームそれぞれ担当方向をふさぐ。


そうすれば進入してくる車はない。


さぁ全て出てってくれ!!



「「行くぞ!!」」


車が全て出たのを確認した俺たちは、

20台弱のバイクで交差点に進入。


円の元を作り始める。


その間に黒を中心にしてその正面に銀

黒の周りに青赤黄緑紫のバイクを止める。

その周りを残りのバイクで円を描き、

センターはお互いのライトを当てる。


そして、龍の宝珠が完成する・・・




その日も龍珠は完璧に完成した。


俺は、それを見て嬉しくなり、

仲間と龍珠を中心に走っていた。




その時、俺は見てしまった。昼に見つけたあの人を・・・


あの人はそこ居た。昼と少しも場所は変わっていなかった。



“まだ、ココに居たんだ・・・”


と思いながら見ていた。すると、


『パトが来る!!』


確かにそう叫んだ。


“まだこないはずだ。予定だと後30分は来ないはず・・・”


でも、あの人はじっと北西の入り口を見てる・・・


不思議に思った俺は、

円を抜け出し、その人の前にバイクを止めた。



エンジンを切りメットを取って耳を澄ますが、

俺には何も聞こえない。


目の前には、

びっくりして俺を見るあの人とギャラリー。


「パトの音聞こえる?」


と聞くと、

こくこくと首を立てに振り、北西のほうを向く。

が、俺にはイベントの爆音しか聞こえない。


「本当に?」


と聴いた瞬間、


『来た!!』


という声とともに俺のケータイが振るえ、

パトの音と篠さんの大音量の声が交差点にこだました。



この時俺は


“この人面白いし使えるかも・・・”


と思い、携帯に


「白、俺を置いて散れ。


 それから、バイクの回収よろしく」


と伝え、1人この場に残った。


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