第16話

所詮私は田舎者。何が何だか分からない・・・


ただ、ぼーっとするしかない私。


そんな私に白と呼ばれた人は


「君、昼もここに居たよね」


『えっ!?』


「なのに、まだここに居たの?

 こんなとこで何してるの?」


そう聞いてきた。


誰も見ていないだろう・・・

気づいていないだろう・・・


そう思っていた私にふってくる言葉・・・



しかしそれよりも、

一気に静かになった周りが気になった私は


『あの~、逃げなくていいんですか?

 みんなさん居なくなりましたけど・・・』


「本当だね~、俺のバイクももうないね」


この言葉にバイクが止まっていた方を見る。


“あれっ?ホントにナイ!?”


『本当ですね。いつの間に・・・


 って言うか、

 なんで貴方だけ残っているんですか?』


私は、単車が消えた事もびっくりしたが、

それよりこの人が何故、

私に話しかけて来るのか気になった。

すると、


「ん~?昼にココで見た君が

 夜になってもここに居るから気になって・・・


 そんでどうしてまだ居るの?」


『・・・』


私は本当の事を言うと迷惑をかけると思い、口を閉ざす。


「言いたくないのかな?

 じゃいいや。別の事、聞いていい?」


『何ですか?』


すると、少しまじめな顔をした白は


「何でパトが来るの分かったの?」


と不思議なことを聞いてきた。

けれど私はあの時の事を正直に話す。


『何でって・・・音が、聞こえたので』


「えっ!?」


白は目を見開いて固まった。

私は気にせず話を続ける。


『聞こえませんでしたか?


 私には聞こえたんです。

 バイクの音23台の後にパトの音。

 って言うか・・・普通の車とは違う車の音かな?


 そんなの警察のしかないですよね?』


「ふ~ん、バイクの台数まで分かったのか」


しゃべり方が変わってきた白は、

何やら思いついた様で


「なぁ、あんたココにずっと居んの?」


『ん~どうでしょう。私にも分かりません』


「はぁ?分からないって何それ」


私は一日中ここに立っていた為、疲れていた。

そして、この後何も出来ない事が分かっていた為、


“もぉ~いいやっ、どうにでもなれ”


と思ってしまった。

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