第14話
祐樹 side
昼飯の調達から帰った俺は、
交差点で見た人が気になって仕方なかった。
周りは動いているのに、
その人だけその場に隔離されたように止まって見えた人・・・
“何をしてたんだろう?”
“なぜあそこに居るんだろう?”
そんな思いが頭の中から消えることはなくずっと悩んでいた。
「あ~も~っ」
突然大声を出し、
頭をぐしゃぐしゃかき乱しまくった俺を見たみんなは
「どうしたんだ?」
「なんかあったのか?」
「さぁ別に。何もなく飯買ってきただけだよ」
「ふ~ん」
そんな会話をしてる。
そのまま時間だけが過ぎた・・・
晩飯を食った後、今日の夜の話を始める。
「今日、北の交差点で暴れようぜ。
あそこが一番やりやすい」
「幹線だから、道広いしな」
「でもあそこパトも飛んでくるの早いぜ。
特に篠さんが・・・」
「あの人はいい。
俺の親父のダチでOBだ。分かってくれてる」
流さんの親父さんは、結城組組長で俺たち龍牙のOB。
その時の仲間が警察って言うのもすごいが、
OBが居るのはありがたいこと。
俺たちがこの街で好き勝手出来るのは
OBの方たちが作り上げてくれた、大切な掟と絆のおかげ。
その絆が今もこの地域に残っている為、
俺達は暴走する事が出来る。
そしてその見返りに治安を守る。
だからその絆を俺たちがヘマをして、
終わらせるわけにはいかない。
俺はあの人の事は相変わらず気になったが、
ひとまず置いといて、暴走の打ち合わせに参加していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます