第9話

龍牙メンバー side




その日、

俺たちは駅から20km離れた所にある工場跡地にいた。



俺たちは龍牙《ROUGA》。

早い話が暴走チーム



龍牙はこの町全体をシマにしている。

結城組のおかげもあって代々続いてきたチームだ。


今は結城組の次期若頭 結城 流さんが総長をしてる。



駅を中心にして東西南北に分かれるこの街は

その方角に合わせてデカイチームがある。


北 龍牙《ROUGA》

南 華龍《KAROU》

東 碧龍《HEKIROU》

西 龍虎《ROUIN》

(その他、紫煙《SHIEN》

     狼牙《ROUGA》

  同じ名があるのは理由有)


そして、そこの治安を維持してる。


だから、

県外のチームの者が入ったとしても、すぐにバレる。


喧嘩や抗争が起こった時も、

俺達龍牙の者が飛んでいって止める。


そんな役割を果たしてる。


けど、だからといって、街の印象が良い訳でもない。


その原因は、何の事はない。

治安を維持していてもはみ出し者。


そんな奴らの集まりなので、こんな所に集まる。




だから今日も皆、ここに集まっていた。


今日は休日ですることがなく、予定は夜しかない。


昼前になっても事務所で遊んでいた。


と、突然


「駅まで行ってメシ調達して来いよ」


「えー、いやだ。暑い」


「お前行って来いよ」


「何だ!てめーが行きゃ良いだろうが」


「お前ら一番若いんだ、行ってきてくれるか?」


と先輩方に言われ、一番若い俺は、

兄弟と一緒に駅までバイクを走らせることになった。

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