分岐点
第8話
“この交差点を渡ったら、何処にいける?
この先に何があるの? いい事でもある?”
そんなことを考えながら、交差点を見据える。
しかし、
“私は・・・ここに出てきてもやっぱり何も変わらない。
人に使われ、人に振り回されるだけで、
自分すら守れずに、ぼろぼろになる。
そんなちっぽけな者。
私と同じ様な人はこの世界にどれくらいいる?
もしかして・・・わたしだけ・・・?”
ここまで来ても、田舎と同じ事を考えながら、
私は交差点の信号機にもたれかかり、人を見ていた。
何時間も・・・
それから
どれぐらい経ったか分からない。
それなりの時間が過ぎた時、ふと・・・音が気になった。
“バイクの音? 2台・・・かなぁ”
その時、真っ白な車体の大きなバイクが2台、
並走したまま、タイミングもばっちりで交差点に進入し
自分の前を横切っていった。
『仲良くて、楽しそう・・・』
私はこの時、そうつぶやきながら、
走り去るバイクを、ぼーっと見つめた。
まさかそのバイクの一人が、
自分に気づいているとは知らずに・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます