第7話 紗耶香

「今日からこちらの部署に配属になりました佐々木紗耶香ささきさやかです。よろしくお願いたします」


 配属の異動になった入社3年目の紗耶香は、スタッフ全員の前で自己紹介をして仕事を教わるパトーナーを紹介された。


「佐々木さん指導の竹本大和たけもとやまと君です」

 

 五十嵐部長が、大和の背中をたたいた。


「あ、えっと、先輩になるのは初めてなのでお手柔らかにお願いします」

「どっちのセリフだよ、まったく」

 

 五十嵐部長は笑いながらバシバシ背中をたたいた。大和はぺこりと頭を下げる。その場の空気が和やかだった。


「私は3年目だけど、竹本君は?」

「げ、部署違いですが、先輩じゃないですか。1年目ですよ」

「いやいや、ここでは私は新人だよ。


 紗耶香も大和の背中をたたく。


「俺、背中たたかれてばっかり。何? 後ろに何かついてます?」

「何もついてないよ。悪霊退散しとく?」

「冗談勘弁してください。心霊系はきついっす」

「ふふふ……竹本君ウケるね」


 そんな新しい部署で和やかな雰囲気から始まった。紗耶香は、緊張していたがリラックスして過ごせた。デスクに隣同士座ると


「竹本君、彼女いる?」

「いないです」

「やったね」


 紗耶香は、ガッツポーズで喜んだ。首をかしげる大和だ。

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