第4話 光莉
「お疲れ様です。斎藤部長。これ、佐々木さんから預かりました」
入社してすぐの頃、雑用を掃除やお茶出しを主に任せられていた
「あ、新人の木村光莉さんだね。お疲れ様。書類預かりますね。ありがとう」
「いえ、お安い御用です」
「ずいぶん、古い言葉知っているんだね」
「え? 古いですか?」
「……たぶん。古いんじゃないかな」
「すいません。変な言葉使って……」
「大丈夫、可愛いなって思ってただけだよ。気にしないで。木村さんって何歳だっけ」
オフィスフロアはパーテーションで区切りをされているが周りに声は、丸聞こえだ。
「えっと、今年で23歳になります」
「若いなぁ……彼氏っているの?」
「部長、それ、セクハラですよ」
光莉のメンターである坂本が横から、にょきっと顔を出す。
「あ、ごめん。言わなくてもいいよ」
光莉は、頬を赤くして、照れながら話す。
「今は、いないです。絶賛、彼氏大募集中です!」
「木村さん、全然、気にしてないから大丈夫だね」
斎藤部長は自然と笑顔になった。
「そしたら、立候補しようかな」
「部長、既婚者ですよ」
「あ、そうだった。ごめんね」
まんざらでもない様子で悲しむ光莉だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます