第6話 一華
「あー、終わった。やっと終わったね」
椅子に座ったまま、両手を広げて伸びをした。今日の最後の講義が終わってホッとした
「一華はいいよねぇ。私なんて、これからバイトだよ」
「あー。バイト辞めて、勉学に励もうと思ってさ。あと、就活もしないといけないじゃん」
「いいなぁ。私はバイト辞められない。一人暮らしできなくなるから。いいよねぇ、本当」
「私は、実家暮らしで親が色々うるさいけどさ。1人暮らしは自由でしょ」
「まーまずね。どこでもメリットデメリットはあるよね」
「しかもこれから、腐れ縁の人の家に行かないといけないからさ」
「あ、彼氏の家?」
一華は、面倒くさそうにうなずいた。
「もう遅すぎた春だよ。お母さんみたいな接し方になってるから」
「恋愛じゃなく生活感? それってもう結婚してるみたいじゃん」
「いーや、都合のいいように使われてる。しばらくご無沙汰だし」
「そう言いつつもリア充してるじゃん。私はいつでもフリーだよ」
「うそぉ、心春もバイト先の店長とラブラブでしょ?」
「いや、それは純愛じゃないし、危ない橋わたってるからさ」
22歳の2人には色々ある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます