第4話 莉子
朝起きて、適当に朝ごはん食べて、寒い風が吹く外をマフラーとダッフルコート着て、大学に歩いて通学している。
夕方はコンビニのアルバイトに集中する。帰ってくるのは深夜になることもある。重い身体に鞭打ってやり過ごす。
風邪で休むと、代わりにシフトを変わることがあり深夜勤務も変わったことがある。大学を休んでまでいかないといけないこともあった。国家資格を取るために、大学は通い続けたい。
そのためには学費を途絶えさせてはいけない。
親に頼らずに生きていきたいと思ってからそんな生活が続く。
日々余裕がなかった。大学にいるときも友人と関わってしまうと生活ができなくなるのと恐れて、常にぼっちでいる。
コミュニケーションがどこでも大事だとか、友人が1人でもいるだけでも違うとかどこか誰かのアドバイスを聞いたが、そんな余裕無い。恋人なんて、考えることもない。
「いらっしゃいませ。お弁当はあたためますか?」
何人の人に、このセリフを言っただろうか。
「あ、あなたの心をあたためます! なんつって」
友人3人組の男性がふざけて言った。莉子はその一言でじんわりと胸に染み込んだ。非日常エリアに入ったみたいだ。
「お願いします」
空気が変わった。
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