第2話 蘭
「眠いなぁ……」
「蘭、授業中だよぉ。もう、バイトで忙しいからって眠ったら、単位が取れなくなるよ?」
「大丈夫、この授業なら、寝ててもとれるから」
「そういうことじゃないって。この坂下先生は一般常識的なテスト出さない雑学博士だから聞いてた方いいんだって。まさかの問題出すのよ。気をつけな」
「は? 嘘でしょう。真紀、なんでそんなに詳しいの? さては、テスト満点?」
「……まさか、満点は取れないよぉ。90点代はたたきだしてるけどね」
「マジか!」
蘭はシャープペンをくるくると回して、真面目に授業を受けてる風を装った。
「でもまぁ、バイト辞めたし、勉強に集中しようかな。もうすぐ就職活動もやらなくちゃいけないしね。スーツ買わないと……」
「あー、バイト辞めたんだ。なんでまた?」
「……彼氏よ、彼氏。浮気してたの、バイトの先輩が」
「それはまぁ、やりずらい環境ね。え、まさか、浮気相手って」
「バイト先の店長の奥さん。もう、本気になっちゃって」
「ドロドロじゃん。蘭も大変だね」
「面白いドラマは見れたよ。私、頬、たたいてやったからさ。すっきりしたわ」
真紀は目を見開いた。温厚な蘭がそんなことするとは思わない。
「私も男運ないんだわ」
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