第11話 玲衣

 今日は告白して初めてのデート。地元の遊園地に出かけた。

 幼馴染と付き合うってなった時はまさかそんなことってあるのかと思いながら、かいりに高校1年の入学式の日に告白された。


 中学の時はお互い知らない人のごとく、接点がないのに、一緒の高校だと気づいた時から気持ちが沸々とわきあがったらしい。

 気のしれた関係でもあって、断る理由も見つからなかった。

 小学生の時は、喧嘩もしたことない。

 玲衣れいは、接点が無くなって、一度リセットされた関係からの交際で何となく、そわそわした。


「お待たせ」


 飲み物を買ってくるよと、売店で玲衣の好きなレモンスカッシュを買ってきた。

 浬は手に持っていたカップを何もないところで転んで、見事に玲衣の洋服にジュースをかけた。


「マジで、ごめん。そんなつもりじゃなかった」


 バックから出したハンカチでぬれた服を拭こうとしたら、思わず、胸に手があたる。


「だ、大丈夫だから! 気にしないで。私、自分でふけるから」

「あ、うん。ごめん」


 薄い長そでシャツ。透けて見える。見えてはいけない。

 申し訳なさそうな顔をして、ハッとした顔をすると、浬が来ていた白いパーカーを後ろからそっと玲衣にかけた。さりげない優しさにきゅんとなる。

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