secret sleep5⚘世界は違わねぇ。
1
揺れ動く帰りのバス。
閉まったカーテン。
何かが近づいてきたような気がしたけど、
気のせい…だよね?
私の好きな人は隣の、
イケメン高校生で、
かっこよくて、
実は暴走族の総長で、
私とは違う世界の男の子。
*
「キャー! お肉焼いてる
5月17日の朝。女子達の甲高い声が廊下中に響いた。
私は
お、お肉!?!?
え、え、なんだろう?
「あ、来た」
「ゆきのん、
あかりちゃんの明るい挨拶に続いて、
「
「校外学習の写真、アップされてんぞ!」
私の顔が、ぱあっと明るくなる。
校外学習の写真が!?
「おいで」
「お、ご本人登場!」
男子の一人が言うと、
「本物もかっこいい!」
女子達が興奮気味に叫ぶ。
あ、
「さすが
「あかりはペスカトーレ作りの時、ペロって舌出してんぞ笑」
「わー!
「
「お肉切ってる
私がそう言うと、
「うん! かっこいいの!!」
あかりちゃんは全力で褒める。
「
あかりちゃんはボッ! と顔を赤らめる。
「あ、うん」
それを見て私は微笑むと、あかりちゃんがコソッと聞いてきた。
「…ゆきのん、もしかして私の気持ちバレてる?」
「…あ、うん」
「…いつからか聞いてもいい?」
「…髪の赤リボン結び直してもらってた時からかな」
「!!」
あかりちゃんは物凄く驚く。
「…そっか、な、内緒で」
「…うん、内緒」
ツインちゃんが不満そうな顔をする。
「てか、
!!
確かに、一緒にペスカトーレ作ったり、
お肉や野菜焼いたり、食べたりしてる…。
「
「でもさ、無表情だけど心許してるオーラ出てるよねー」
女子2人が写真を見ながら言う。
えぇ!?
私にはよく分からないけど、そんなオーラが!?
整った顔立ちにミステリアスな雰囲気を漂わせた
「来週の火曜日からテスト期間に入るのに
写真で盛り上がってる女子達にそう嫌味を言うと、
「ギャーもっちー! 言わないでー!!!!!」
女子達の悲鳴が上がる。
「席に座れ。朝の
私達は慌てて着席していく。
全員が着席すると
「えー、中間テストについてだが」
「クラスで一人でも赤点が出たら今月末の体育祭はこのクラスは不参加にさせられるかもしれない」
「はー!?」
「今日金曜日なんですけど!?」
「なんで今頃言うの? 月曜日から言ってよー」
男女共々不満の声が上がる。
「
「また悪魔かよ」
男子が不機嫌そうに言う。
体育の
悪魔ってあだ名で呼ばれてるんだ…。
「特にその辺頑張れよ」
「え゛」
「あー、国語の時といい、剣道の時から完全に目つけられちゃってるね」
「めんどくせぇな」
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