2
*
「え~、今からオリエンテーリングを開始する」
昼食と片付けが終わった一時間後。木のゲート前で
「俺は先に車で移動してゴール地点で待ってるからな」
「まぁ、テキトーに頑張ってくれ」
「はー!?」
「もっちーずりぃー」
女子や男子達の不満の声が飛び交う。
「あー、めんどくせぇ」
「って、今日は言わないんだね?」
「あぁ、護衛しないといけねぇからな」
また護衛……。
強くならなきゃ。
「…護衛って
「それで、コンパスと地図とチェックカード、誰が持つ?」
「コンパスは
姫の命令に逆らえないふたりは承諾した。
「残るはチェックカードかぁ」
「ん~、じゃあ、チェックカードはゆきのんね」
「うん、分かった」
「みんな頑張ろうね~」
「頑張ろうぜ」
あかりちゃんと
「ほら、行くぞ」
「あ、うん」
私達は木のゲートをくぐってチェックポイントを周り始める。
そして1時間15分後。
「あ、またポスト見つけたよ、
え、
「もう少しで終わりそうだな」
か、か、顔が近い…。
それだけでドキドキしてやばい……。
「地図を見る限り、あと2ヶ所かな」
「マジで!?」
「制限時間まで残り1時間あるし、俺ら一番取れるんじゃね?」
「だね。男女で分かれてチェックポイント探そ」
あかりちゃんがそう言うと、
「いや、みんなで探した方が…」
「そうだぞ、熊とか出たらどうすんだよ」
「熊は怖いかも…。でも分かれた方が早く見つけられると思うし…」
「
「でもなあ…」
「
「分かった」
“
前に
いいな、
あかりちゃんが、ふわりと笑う。
「よし、じゃあ
私は
*
「あっ、看板見っけ」
15分後。あかりちゃんが木の看板を見て言った。
「これ地図に載ってたから、この先に最後のチェックポイントがあるかも」
「ん? なんか文字書いてある」
「湖に映る空に浮かんだ天使の翼の形をした雲を見つけると両想いになれます」
「だって」
「何それ!? ゆきのん、
「うん!」
「見つけよう!」
「じゃあ私、先に見てくるね」
あかりちゃんがそう言って一歩踏み出すと
「ちょっと待って。なんか道険しくない?」
「あー、確かに」
“熊とか出たらどうすんだよ”
一人で行くのちょっと怖いけど、私、
ふたりの力になりたい。
「じゃあ、私が先に行って確かめてくるね」
「
ダッ!
「あ、
「ゆきのん!」
あれ?
もっと道が険しくなって……。
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