secret sleep4⚘悪い姫だな。
1
ブロロロ……。
5月10日の朝。私は1年A組のバスの中にいた。
女子はピンクグレー、男子はブルーグレーのジャージを着ている。
そして私の班の席は後ろの方で、両隣は……。
「
「寝れんわ」
窓側に
通路を挟んで
なんでこの席になったかと言うと。
バスの席を決める時に私のクラスは32人(男子が17人、女子が15人)で、
絶対に誰かは男女と隣同士にならないといけなくて、
“ありのままの姿で花の城から出て、お前は変わっていける”
“どこまでも”
“
そう決意した私は「だ、男子の隣でいいです!」と自ら立候補した。
男子は立候補する人がいなくて、話し合った末にジャンケンで負けた人がなることになり、男子の方はジャンケンで決める事に…。
そしたらまさかのこんな
ツインちゃんが唇を
「えー、
「ずるくないよ」
「ゆきのんはみんなの為に立候補してくれたんだから」
「まぁいいけど?」
「どうせ
「あぁ言ってるけど、そうなの?
「…
ご、
私が班の中で一番弱そうだからかな……。
「あかり、
私の後ろに座る
「うん。
「わ、私も」
「俺にもくれ」
「
「はぁ!?」
「振られたね。ドンマイ」
「お前、ぜってぇ面白がってるだろ」
「え~?」
私達はカリカリカリ…、とかじっていく。
ポッティー、美味しい。
ぽすっ。
…ん?
!?!?!?
突然の事に頭がパニックになる。
「
すでに息が出来ない。
現地に着くまでに息絶えそうだ。
*
バスが駐車場に到着すると、私達は
あちこち森ばっかり…。
毎朝、駅の上り階段で足腰鍛えられてるはず? なのに。
つ、辛すぎる……。
しかも今頃眠気が……。
ふらぁ……。
「
「ご、ごめ…眠くて…ありがとう」
「
「え? 口?」
口を開けると、
あ…口の中でグミキャンディーがパチパチとはじけ出して……。
「眠気、少しは冷めたか?」
少しどころじゃない。
ドキドキが止まらなくて、もうぱっちりだよ。
「う、うん。
*
その後、キャンプ場に着いて
「
屋根の下で私達が木の長椅子に座る中、紙のお皿を持った女子達がずらりと並ぶ。
「私はウインナーとトウモロコシ!」
「
「おい
「コラ! またお前らか!!」
「自分の班に今すぐ戻れ!!」
「こっわ~」
「いいもん。
女子達は文句を言いつつ戻っていく。
「じゃあ、食べよっか」
あかりちゃんがふわりと笑う。
「うん」
「いっただきま~す」
私達は
あ、キノコとペスカトーレ、美味しい。
パシャパシャ。
スマホのシャッター音が鳴り響く。
「
「撮るな、うるさい。はい、スマホ没収」
「
あかりちゃんが茶化すように言う。
芸能人じゃなくて、総長です。
「なぁ、聞いたか?」
「
後ろの班の男子達がコソコソと話す。
え、
“すみません、大丈夫でしたか?”
青髪の男の子のムーンバックスでかけられた言葉を思い出す。
確か青髪の男の子が通ってる高校だよね?
青髪の男の子も来てるんだ……。
「
「そうそう」
「今日なんかパーカーの奴以外、全員、Tシャツにジーパンで」
「ヒール履いて来た女子もいるらしい」
「マジかよ笑」
気をつけよう。
「ん?
「別に、なんでもねぇよ」
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