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え、女子と男子が廊下にいっぱいいる…。
同じ学年の子や先輩、
しかも普通科だけじゃなくて違う科の子達まで…。
「そーそー、黒髪がキラキラ
「銀髪が
「春と書いてしゅんと読むなんて珍しいよね」
「うんうん、3人ともウチの彼氏にしたい!!」
「おい、欲張りすぎ笑」
女子達がそう盛り上がる中、男子達も話し始める。
「金髪の
「茶髪に赤リボンのあかりちゃんも可愛くね?」
「おい、あかり、褒められてんぞ」
廊下側から2列目の一番前に座る
「えー!? 私!? ないない!!」
廊下の窓側で
すると、
「あ、髪のリボン、ほどけかけてる」
「え、ほんと?」
「結び直してあげようか?」
「うん、お願い」
あかりちゃんに近づいていき、
髪の赤リボンをキュッと結び直す。
「出来たよ。これで大丈夫だね」
「あ、あ、ありがと」
あかりちゃんが顔を赤らめながらお礼を言うと、
え、え!?
ま、待って、あかりちゃん、
「
「彼女はいないっぽいよ」
「マジで!? でもさすがに好きな子はいるんじゃない?」
廊下で女子達がそう話し終えると、
「コラ! お前達、何やってる!!」
「やば、行こ」
パタパタッ。
女子も男子も一斉に教室に走って戻っていく。
「よーし、じゃあ、朝の
「もっちーは注意しねぇのかよ笑」
クラスの男子が笑いながら言うと、
分からないけど、聞く勇気もないけど、
もしいるんだとしたらそれは、
「あ、
真ん中の列で
「このタイミングで寝るとか。
ふと窓の外を見ると、薄っすらとボサ頭の私が映った。
――――うん。
絶対に私じゃない。
*
「なんか距離、遠くね?」
昼休み。1階奥の空き教室で右膝を立てて座った
私は外に出しているネックレスを右手でぎゅっと掴む。
ドックン、ドックン、ドックン。
ふたりきりなだけで、もう胸が騒がしい。
い、意識しすぎて、近づけない……。
お、落ち着いて私。
「わ、私に構わず寝て」
「終わりのチャイム鳴ったら、ちゃんと起こすから」
「悪いけど俺、眠れそうにないわ」
「あ、朝の
「違げぇよ」
そして私の隣に座ると、
しゅるっ。
私の制服のリボンをほどいた。
その瞬間、時が止まったかのように思えた。
「あっ…」
私が声を出すと、
ネックレスが
「え、え、
「あー、ほんと、お前捕まえてねぇと俺が無理だわ」
「眠れねぇわ」
「今朝も自転車に
「で、でも
「あぁ。だからこのまま寝る」
えぇ!?
「はっ、何驚いてんの?」
「昔もこんなふうに寝てただろ」
なっ、なっ…。
「ね、寝てないよ」
「それに
あ、スネた言い方になっちゃった……。
「お前まで変な噂信じてんじゃねぇよ」
「役で俺がリボンほどくと思う?」
「…言っとくけど、俺、
「っ…」
「チャイム鳴ったら、ちゃんと起こせよ」
体中が熱い。
このままじゃ私の心臓が持たない。
だから、早くチャイム、鳴って。
……え?
ど、どうしよう。
撫でられるの、心地よくて…うとうとしてきちゃった…。
眠らせないで…欲しい…のに……。
私は両目を静かに閉じた。
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