5
「同じクラス…
教室に行こう。
私は1年A組まで駆けて行く。
だけど
帰る前に教室で担任の
「あー、あの紫頭か」
「入試の時は見かけたが、遊び歩いてるって噂だぞ」
「いつかは来るんじゃないか?」
その言葉を聞いて、私は目の前が真っ暗になった。
*
だけど今は。
「
「キャー!
15分後。1年A組に着くと、
す、凄い……。
「コラ! 席に戻りなさい!」
「まだ朝の
「終わったも同然じゃん」
「もっちーの話長いし」
「
「
茶髪ボブに赤のリボンを右耳の上で結んだ女の子が尋ねる。
胸がドキドキする…
「あぁ、義理の妹だ」
私は目を見開く。
「ええ!?」
「義理の妹!?
なんで“元”付けないの?
もう義理の妹じゃないのに。
「あ、これ渡すの忘れてたわ」
私はパシッと受け取った。
小さな袋のパッケージにはグレープ味と記載されている。
これ…、別れる前に一緒に食べたグレープ味のグミキャンディー。
*
なんで離れないといけないの?
やだ、やだよ。
グレープ味のグミキャンディーを一個掴む。
「
「わっ、パチパチする」
「あぁ、
私達はお互いの頬に両手で触れる。
「
*
私は小さな袋をぎゅっと抱き締めて泣く。
「ちょっと
茶髪ボブに赤色リボンの女の子が叫ぶ。
もしかして紫髪に染めたの、
グミキャンディーのこと思い出して欲しかったから?
食べてないのに、
心の中でグミキャンディーがパチパチとはじけ出す。
刺激的な春が突然やってきて、
今日も眠れそうにない。
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