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あ、ローファー脱いだままだった…。
「ローファー履いてた時、つま先の部分踏まれたんだけど」
「つま先の部分まで足届いてなくて、なんとか脱げてセーフだったよ」
「そう。制服は? 濡れただけ?」
「あ、うん」
せっかく
「はー、良かった」
「ほら履けよ」
「うん、助けてくれてありがとう」
私はローファーに右足を入れる。
「総長、朝っぱらからシンデレラごっこかよ」
銀髪の男の子が声をかけてきた。
その子は左耳に輪のピアスを付け、黒のパーカーの上にグレーのブレザーを羽織っていて、
隣には同じブレザーを着崩した右耳に玉のピアスの黒髪の男の子と、
私と同じ制服を着た金髪のふわロングの毛先をピンクに染めて触覚を垂らし、前髪パッツンの大人びた女の子が立って私達を見ている。
「バカ、ここでは
黒髪の男の子がにっこり笑って言うと、銀髪の男の子はハッとする。
「あ、そうだった」
「ウチら先に行ってるねー」
金髪のふわロングの女の子が手をひらひらと振る。
3人とも行っちゃった…。
同じクラスの子達…だよね?
てか、“総長”ってワード2回目だ…あだ名か何かかな?
「あの、
「何?」
「総長って?」
「あぁ。俺、今、暴走族
「そうなんだ」
ん?
総長やってる?
…………。
えええええええええええええ!?
暴走族の総長――――!?
「暴走族ってあの、特攻服着て、バイク乗ってパラパラァ~みたいな?」
「そう」
「さっきの子達は?」
「あー仲間」
ええ!?
あの子達も暴走族!?!?
「なんで総長に? 一緒に高校通う約束は?」
「同じ高校で同じクラスだけど族まとめるのに忙しくて今までサボってた」
族をまとめる!?
「今はどこに住んでるの?」
「高校の近くのマンションで一人暮らし」
一人暮らし!?
「お前はあのお袋と?」
私の顔が暗くなる。
「あ、うん」
「そう。てかなんで、そんなボサボサ頭してんの?」
「目立ちたくなくて…」
「
「お前、覚えてねぇの?」
「え?」
「まぁいいわ」
「今日から登校するから」
「ネックレスちゃんと付けててくれたんだな」
あ、気づいて…。
「やっと会えたわ。長かったわ」
うん、ほんとう、長かった…。
「初日から遅刻だけどな」
あ……。
ピキッ。
私は氷のように固まる。
「はっ、なんて顔してんだよ」
あ、
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