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*
そして、一時間後。私はうとうとした状態で駅の階段を上がっていく。
階段何段あるの?
ほんとう毎朝、つらい…眠いし…。
あ、上まで着いた…このまま進も……。
――――ドンッ!
私は誰かの肩にぶつかった。
「きゃっ!」
ばしゃあっ!
缶からグレープフルーツ味のサワーが飛び散り、私の制服や床が濡れた。
「あぁ? 何すんだよ?」
赤髪の強面なヤンキーに物凄い顔で睨まれる。
赤髪のヤンキー!?
赤髪、初めて見た…大体金髪が多いし…じゃなくて。
ヤンキーの腕も濡れてる……。
どうやら私、ヤンキーが飲んでたサワーをぶちまけてしまったみたい…。
「なんか、あそこモメてね?」
「関わると怖いし、放っておこ」
見てる大人も学生達も見事にスルー。
誰も助けてはくれない。
まさかの大ピンチ!?
なんとか切り抜けて早く高校行かなきゃ…遅刻しちゃう!
「あの、ごめんなさ…」
「謝って済むと思ってんのかゴラァ! 弁償しろゴラァ!」
赤髪のヤンキーが右足のローファーのつま先を踏む。
やだやだ。
怖い。
私は右足をなんとかローファーから抜き、後ろに一歩下がる。
ガクッ。
え……。
後ろ階段……。
赤髪のヤンキーに胸ぐらを掴まれそうになる。
「嫌っ…」
しまった、避け…。
私は階段から落ちかかる。
嘘でしょ……。
このまま落ちたら、頭打って死……。
まだ
約束、果たしてないのに。
このまま会えずに終わるなんて絶対に嫌だよ。
赤髪のヤンキーが一瞬、
「危なかったな」
……?
……あ…れ?
落ちて…ない?
え……。
いつの間にか、後ろから階段を駆け上がって来た誰かに体を支えられていた。
着崩したグレーのブレザーに月籠のエンブレム。
ブルーとグレーチェックのネクタイ。
ネクタイと同じ柄のズボン。
同じ高校の人?
両耳にピアスまでして…。
私は顔を見る。
綺麗な紫髪の男の子……。
かっこいい……じゃなくて。
「
「ここにいろ」
ずっとずっと
でも諦めかけてた。
それなのに。
泣かずにはいられない。
「はっ、女の子が落ちそうになってんのに全員見て見ぬふりかよ」
「で? 弁償がなんだって?」
「お、お前、
「すんませんでした!!」
赤髪のヤンキーは血相を変え、慌てて逃げていく。
え……。
今、なんか凄いワード言わなかった?
「
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