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「全面抗争を止めに来ただと!?」
「ふざけんな!!」
そして、
ドサッ…。
私の前に
「
「こいつ、死んだよ」
紫髪の男がニヤッと笑う。
死…んだ……?
私はキッ! と睨むと紫髪の男の胸倉をぎゅっと掴む。
もう、流れ落ちる涙を止めることが出来なかった。
「なんで!? なんで殺したの!? なんでよお……!!」
「
紫髪の男は私を突き飛ばす。
「きゃっ!」
視界がぐにゃりと歪み、私はその場で倒れる。
「ゴホッ、ゴホッ…」
私は血を吐く。
やばい、唇切れた……。
紫髪の男が私の右腕を掴むとそのまま持ち上げる。
「なんだ? 口ほどにもねぇな」
「全面抗争を止めるなんて無理なんだよ!」
「総長のガチ喧嘩、邪魔すんじゃねぇよ!!」
「…邪魔なのは」
「てめぇだ!!」
「
「…もう大丈夫だ」
「大丈夫じゃねぇ」
「ありすにこれ以上、手を出すな。全員殺す」
「…全面抗争は終わりだ! 今からタイマンを張る!!」
廃墟に全面抗争を止めた
「
「…ありすを頼む」
「
「…そこで見てろ」
あぁ、もう止められないんだ……。
夏の夜風が吹き、
「ありすは、絶対、渡さねぇ」
ふたりが宣言をすると風が止んだ。
同時に地面を蹴り、木刀の先がぶつかり合う。
木刀を振るう動きが速すぎて見えない…。
互角で一秒たりとも遅れを取らず、
弾かれ、バク転、振るう、を繰り返す。
――――ガキィーン。
2つの木刀が真っ二つに折れ、地面に突き刺さった。
ふたりは折れた木刀を投げ捨てる。
「
「
「うぉぉぉぉぉお――――っ!!」
「…あぁぁぁあああ――――っ!!」
ふたりは腹の底から最後の気合を振り絞った。
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