Ice lolly11⋈絶対、渡さねぇ。
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傍にいられたらそれだけで良かったのに!
お願い、ふたりとも行かないで。
私の傍にいて笑っててよ。
*
7月17日の夜。私は部屋で椅子に座って勉強していた。
昨日はあれから着替えて結局、
朝、高校で
「……
今日もお休みで、
『…心配するな』ってライン返ってきたけど…。
「ありす、入るぞ」
金髪の
「え、クリーム入ってる!?」
「お前、甘ぇの好きだろ? 今日は特別だ」
「
椅子に座ったままお礼を言うと、
突然のことに頭がパニックになる。
「…え、え、
「…バイト、行って来る。ありす、勉強頑張れよ」
ぱたん、と閉まる部屋の扉。
顔が熱い……。
今の、なんだったの?
私はアイスコーヒーを一口飲む。
「甘っ…」
……まぁいっか、勉強しよう。
私は引き続き勉強して、一時間後。深夜になった。
勉強を止め、スマホを持って椅子から立ち上がると、
シャッ!
カーテンを開けリボンで留めて、ガチャ、と鍵を外し、
――――ガラッ。
私は扉を開けて飛び出す。
隣のベランダは真っ暗で人がいる気配はなく、仕切り板の穴を覗いて見ても
まだ体調悪いのかな……。
よし、電話してみよう。
スマホの着信音が鳴った。
え、非通知!?
間違え電話か何かかな?
私は恐る恐る出てみる。
「も、もしもし?」
『ありすちゃん?』
この声は……。
「
『そうだよ』
「なんで番号知って……」
『あー、前に総長のスマホ、ロック解除されてたことがあってこっそり?』
「それで私に何の用ですか?」
『始まったから伝えておこうと思ってね』
「始まった? 何がですか?」
『
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