4
*
それからしばらくして、目が覚めた。
……あれ?
タクシーは?
ここ、私の部屋じゃない?
なんで
帰りたくなくて
あの日はみんなと居間にいたけど、部屋でふたりきりなんて不思議。
バイクのヘルメットが壁掛けハンガーにかかってて、整頓されたかっこよくて綺麗な部屋……。
ベットは
…あれ? スマホの着信音が鳴ってる?
私はふわぁ、と
「…もしもし?」
『ありす』
その声を聞いた瞬間、私の意識がはっきりとした。
「ひょ、
『ラインしても電話しても出ねぇし』
『お前、一体今、どこにいんだよ?』
めちゃくちゃキレてる…どうしよう…。
これはもう正直に言うしかないよね……。
「……
『あ?』
ひいいっ。
「ごめんなさ…
「私のせいで雨に濡れたから、いても立ってもいられなくて……」
『だからって何時までいんだ? 今深夜3時だぞ』
え、もうそんな時間に!?
『早く帰って来い。今日から学校だろぉが』
そうだった……でも。
スマホを右耳に当てたまま、ぎゅうっと握り締める。
「……やだ、行かない。休む」
『あーそうかよ。なら勝手にしろ』
「あ、あの、
『…朝迎えに行く』
ブチッ!
電話切られちゃった……。
私の両目がじわりと潤む。
すぐ連れ戻しに来てもおかしくないのに…。
気を遣ってくれたの?
「…
「あ、
「…起こしちゃったね、じゃねぇわ」
「…なんで帰らなかったんだよ」
「
「…あー、何俺寝てんだよ」
「…無理矢理にでも部屋に返すべきだったわ」
「
「…許可出たんかよ」
「うん、私もびっくり…」
「…最後の情けか」
ヴーヴー。
スマホのバイブ音が鳴り響く。
「え、私じゃない」
「あー俺だわ」
「
穏やかな声が聞こえた。
「…
え、
『ワゴンタクシー、役に立ったかな?』
『偶然高校の裏通ったら
「…助かりました。ありがとうございます」
『今、一人?』
「…いえ、
『なら代わってくれるかな?』
「…分かりました。
『ありす、話すのは初めてだね』
なんて穏やかな声なんだろう。
「は、はい」
『そんな緊張しないで』
『君に伝えたいことがあるんだ。黙って聞いててくれるかな?』
「はい」
『暴走族
え、彼女!?
『漢字で
黒髪の
『他校の中学だったけれど下っ端の時からずっと支えてくれていてね、俺が独立した時も一番に喜んでくれた』
『ずっと共にいられると信じて疑わなかった』
『でもその甘さのせいで、
え……死んだ?
『だから君を見た時、彼女が生き返ったようで嬉しかった』
『どうかこの先何があろうとも生きて、
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