3
ドサッ……。
私を抱いたまま背中から倒れる。
「
「ありす!」
「
「
あ……また頭がふわっとして……。
「おい、お前らそこで何をやっている!」
見回りの
え……
「まずい!
「分かったわ。でも
「ナンバー3をなめんなよ」
そして右肩に私、左肩に
「
「うん!」
そして校舎の中を通ってなんとか抜け穴を抜け、正面玄関の前に出ると、ワゴンタクシーが一台停まっていた。
「え、ワゴンタクシー!?
「は!? 俺は呼んでねぇ」
「逃がさないぞ!」
「もう乗っちゃえ」
タクシーの男の運転手さんが目を見開く。
「おい、君達!?」
「…あ? てめぇ何見てんだ? 早く出せ」
「ひゃい」
タクシーの運転手さんが裏返った声で答え、タクシーが走り出す。
「間一髪だったね~」
「それはいいけど、このタクシー誰が呼んだんだよ?」
「
タクシーの運転手さんが運転しながら答える。
「え、
「マジか。近くで見ててくれたんかな」
私達は切なげな顔を浮かべる。
「それで何処に行きましょうか?」
タクシーの運転手さんが尋ねると、
「
私と
「…ゴホッ、お前いいのかよ。親父と気まずいんじゃねぇの?」
え、
「あぁ、気まずいね。だから優等生のフリよろしく」
私、ウィッグ被ってて良かった……。
そう思いつつも悲しい気持ちになり、ぎゅっと
「はい、
「すげえ、
「…
「うん、大丈夫だよ」
ぼんやりと夜景が私の両目に映り、通り過ぎていく。
ねぇ、
私達は偽らないと生きていけないのかな?
なんで、ありのままじゃだめなんだろう。
*
「…点滴で腕痛ってぇ」
1時間後。治療室から出て来た
「総長でも痛がるんだな」
「うるせぇ」
「…
「うん、点滴打ってもらったら楽になったよ」
「…そう、俺も。後は薬飲めば治るって言われたわ」
「私も」
「…
私は待合室のソファーを見る。
「あそこでみぞうち冷やしながらお父さんと話してる」
「久しぶりに顔を見せたかと思えばお前は一体何をやっているんだ?」
白衣を着た
「何って人助けだよ」
「友達が不良に絡まれたのを良いことに喧嘩をすることがか?」
「お前はこの病院の跡取り息子だという自覚が足りていないようだな」
「恥を知れ」
「…
隣に座った
「あぁ、慣れてるから」
「…傷つくことに慣れないでよ」
そして
「ありすちゃん、今日はごめんね」
「じゃあ
「ありす、またね」
「…
「スマホ見たけど、まだ何も届いてないから大丈夫」
「…そう。なら早く帰ろう」
「うん…」
まだ、帰りたくないのに…。
一緒に後ろのタクシーに乗ると扉が閉まり、タクシーが動き始めた。
やだ、やだよ。
進まないで、停まって。
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