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「…お前、酔わせたのか?」
「うん、あの時はノンアルだったから本物で酔わせて襲いたくなってね」
「酔わせて襲うだって!? 夜遊びにしては度が過ぎてるだろ!」
「そうよ!
「どうしちゃったの!?」
「どうもしないよ」
「それより
「高熱と咳で立ってるだけでもやっとなのに」
高熱と咳?
もしかして昨日の雨で風邪ひいたんじゃ……。
「
「この状況でよくそんなことが言えるな」
「タクシーでみんなで来たんだ」
「服は俺が着替えさせた」
「総長がタクシーって、ダサッ」
「…うるせぇ、お前が呼んだんだろ…ゴホゴホッ」
「あぁ、
「本気の勝負って何考えてるの!?」
「
「そうだぞ!」
「じゃあ、ありすちゃん好きにさせてもらうけどいい?」
「お前、卑怯だぞ!」
「そうよ、見損なったわ!!」
「てめぇらは黙ってろ」
「
「…あぁ。
「
私が必死に声を絞り出して言うと
「…
「…そこで見てろ」
ふたりの目を見た瞬間、分かってしまう。
本気で、もう止めることは出来ないって。
「
「それはぜってぇねぇわ」
「…
そして、夜空に薄っすらと月が光り輝いた瞬間、
頑張って……!
「避けてばっかでダッサ」
「一発で決めるんじゃなかったんかよ!」
続けて上段回し蹴りが繰り出された。
体を反らし、バク転して回避するも
「もらったぁぁあああああ!!」
「
私が必死に名前を呼ぶと、
――――ドスッ!
その満ちた一撃が
「がはっ…」
「はぁ…さすが総長…やっぱ敵わねぇな」
「…なんでこんなことしたんだよ?」
「ありすちゃんのことお前が諦めようとしてるからだよ」
「お前、
「…思ってねぇよ」
「いや、思ってる。いつも自分のことは後回しだからな、お前は」
「ありすちゃんはな、白いサワーの缶チューハイお前が好きって知っただけで無理して飲んだんだ」
「そんだけお前は愛されてんだよ」
「ありすちゃん達だけじゃない、俺達にも。だから」
「何がなんでも生きろ。なんも諦めんな」
「…馬鹿野郎、泣かせんじゃねぇよ」
それを見て、
私の両目からも留まることなく大粒の光が零れた。
その後泣き止むと
両手が解放されると
「…
「
私は、がばっと
「…こんな目に合わせて悪かった」
「ううん…
「私こそ…ごめんなさい」
「風邪ひいたの私のせい…」
「…お前のせいじゃねぇよ」
私は心配そうな表情を浮かべる。
「でも凄い汗…」
「…帰ってから濡れたまま着替えずにボーッとしてた俺が悪…ゴホゴホッ!」
「
私が叫ぶと
「…はぁ…俺、諦めねぇ」
「…生きてお前らといることも」
「…
「うん…私も諦めないよ」
「…ありす、俺はお前をぜってぇ幸せにする」
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