4
私の感覚が麻痺する。
え……。
暴走族
「じょ、冗談はやめて下さい」
「ただの噂とか…ですよね?」
私は恐る恐る聞き返す。
『てめぇ、バカか!』
私の体がびくつく。
『せっかく現実教えてやってんのに』
『これだから本命作りたくねぇんだよ』
「じゃあ、
『
『俺達のことよーく知ってるだろうし』
『でもまぁその前に』
『“ありすちゃん、さよなら”だけどね』
え、さよなら?
『もう時間切れ。
『てめぇら
「まだっす」
『何やってんだ!?』
『女使って今すぐ
電話がブチッと切れた。
「そーいうことなんで、ごめんねー」
「
「きゃっ」
「おお、なかなかいいな」
「ゃっ…」
「
「早く出て来ないとヤラれちゃうよー?」
血の気がみるみる内に引いていく。
私、このままヤラれちゃうの?
そんなの、
絶対に嫌だ。
お願い、届いて――――。
「
――――パタ。
シューズの音が響いた。
ドゴッ!
鞄は
その隙に
「
「…お前、誰?」
「
「盗聴されてんのに気づかねぇなんてかっこ悪っ」
「女に現抜かしてるから気づかねぇんだよ」
「…あぁ、アレ? オモチャかと思ったわ」
「てめぇ、まさかわざと
優等生姿の
「
「俺達が相手してやる。かかって来い」
「てめぇら、なめやがってえええええ!」
殴り合いの喧嘩が始まった。
「見つけたぞ!」
「何やってる!!」
駆けて来た男の先生達が叫び声を上げて教室に入ってくる。
「チッ」
「引き上げるぞ」
「取り押さえろ!」
男の先生達が叫ぶと
「くっそおおおお!!」
両足の力が抜け、ぺたん、と床に崩れ落ちる。
「…
しゅるっ。
背中で縛られた両手のリボンをほどいてくれた。
「…もう大丈夫だ」
「…悪いな、巻き込んで」
巻き込む?
「…………」
私は黙る。
「…
ねぇ、
ウィッグから汗が垂れ、
私の顔が今にも泣き出しそうな顔に変わる。
暴走族
くらぁっ…。
前に倒れ、
「…おい、
「はぁっ、はぁっ…」
「…体が冷たくなってる。マズいな」
もう片方の手で足を持ち上げ、そのまま私をお姫様抱っこすると教室から出た。
…違う、よね?
両目を閉じると、睫毛から涙が零れ落ちる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます