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そして数分後。
「
コンビニから出て来た私はサワー味のアイスキャンディーの袋を手渡す。
「…お前の分は?」
「私は大丈夫」
「
「
私が優しく微笑むと
アイスキャンディーを取り出してガリッとかじり、なぜか私の顎を持つ。
びっくりして口を少し開けると
アイスキャンディーが口の中でふわりと溶けて、
甘酸っぱい感覚に襲われる。
私の心に絡まったリボンが甘く弾けて、止まらない。
「
「…人前じゃない方が良かった?」
「ううん、ただびっくりして…」
「…刺激的すぎて?」
私の顔がボッと熱くなる。
「
「…人少ないから誰も見てねぇよ」
「…アイスキャンディーのおかげで涙引っ込んだわ」
「…
*
夜。私は帰りの電車のソファーに座りながらスマホを見ていた。
まだ胸、ドキドキしてる。
いつもより帰るの遅くなっちゃった…。
ガコンッ。
車内が大きく揺れる。
バランスを崩し、隣の男の子の肩にぶつかった。
男の子は背が高く、クリーム色の髪をし、甘い顔をしている。
「あ、すみませ…」
「ううん」
「きみ、もしかして
「え、なんで…」
「セーラーにピンクのリボンの高校ってなかなかないし、そうかなって」
「はい。
「あなたは
「え、なんで分かったの?」
「お兄ちゃんが通ってて…」
私はハッとする。
「へぇ。偶然だね」
「俺、
「私は
「ありす?」
「え?」
「いや、めちゃ可愛い名前だね」
「しかも年下かぁ。本命にしたいくらい」
私は動揺する。
「え…」
「あー、でも俺本命作らないタイプだから大丈夫」
それって逆に大丈夫じゃないんじゃ…。
「
「あ、はい。でもなんで知って…」
「白い鳥にいっぱい呟かれてるからね」
「白い鳥ってなんですか?」
私は驚く。
え、こんなに!?
どうしよう。
「…相変わらずくせぇ香りさせてんなぁ」
「…名前がありすで
「…
ガコンッ。
電車が止まった。
そして私の鞄の脇に黒い物を落とす。
「…設置完了っと」
「
「うん、じゃあ俺ここで降りるね」
「またね、ありすちゃん」
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