2
「
20分後。作ったお茶漬けをおぼんに乗せて
「なんだ、茶漬けかよ」
いつもの長袖Tシャツに着替えた
「嫌なら無理して食べなくていい…」
「立ったままじゃ疲れるだろ」
「隣、座れよ」
「あ、うん」
私が
「お前、飯は?」
そう尋ねてきた。
「もう先にお茶漬け食べてきた」
ほんとはまだ食べてないけど、
そう言わないと
「そうか」
「クソまずい」
「え」
「湯入れすぎ。味しねぇ」
お湯入れすぎちゃった!?
「あ、作りなお…」
空の器をおぼんの上に乗せ横に置くと、
私を抱き締め、頭を優しく撫でる。
「え、
なんだか
「今のは礼だ」
「もう寝る」
「…分かった」
私はベットから立ち上がっておぼんを持つ。
「ちゃんと晩飯食べろよ」
え、お茶漬け食べてないのバレてる!?
「お、おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
私はおぼんを落とさないように気をつけながら部屋を出た。
祈るようにぎゅっと両目を瞑る。
お願い、このままバレないで。
*
深夜0時前、私はスマホを左手に持ったまま
これなら行けそう。
私は右手で扉を閉める。
ほんとに
やめた方がいいんじゃ…。
私は首を横に振る。
黒のふわロングのウィッグ被って、
だっさいTシャツに短パンの方が絶対バレないのに、
こんなウエストに大きなリボンがついたライトブルーのTシャツに着替えておいて今更戻れないよ――――。
私は涙ぐみながらも自分の部屋に行く。
ラインか電話、どっちにしよう。
ラインの方が気づかれにくいとは思うけど…。
左手のスマホを見る。
スマホの時計がちょうど0時になった。
私は
あ、どうしよう。
何か言わなきゃいけないのに。
もし話し声で
怖くて声が出せない…。
「…
私は部屋を出て忍び足で玄関まで歩いて行く。
そして玄関の扉を静かに開けた。
外に出ると扉をゆっくり閉めて、隣の部屋まで歩く。
ガチャッ…。
隣の部屋の扉が開いた。
ネイビー色のTシャツに白のTシャツを重ね着し黒のスキニーパンツを穿いている。
昨日までベランダだったのに、
目の前に
これは夢?
私は
ぱたんっ…。
「…あの、仲間は?」
私は目線を逸らしながら問う。
「…まだ来てない」
じゃあ、今、ふたりきり?
どうしよう。
涙出てきちゃった。
私は涙を見られたくなくて、
扉の方に体の向きを変える。
「…
涙、お願い止まって。
……あ、
ウエストのリボンほどけそう。
「…リボン、ほどけそうだな」
私はドキッする。
「…心にもリボン絡まってるんだっけ?」
え?
『…ほんと心に絡まったリボンほどいて欲しい』
昨日、ベランダで
聞こえていたの?
私の顔が、かぁぁっと熱くなる。
「あ……」
私の体を覆うように後ろから右手が伸びてきて、扉に突いた。
「…ウエストのリボン、完全にほどけたな」
「…
「…心のリボンも俺がほどいてやろうか?」
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