4
*
「…ありす、今日も頑張れよ」
その日の深夜。
ぱたん、と閉まる部屋の扉。
よし、着替えよう。
私はガタッと椅子から立ち上がりベットの前で、
だっさいTシャツを脱ぎ、裾にリボンがついた紺色のゆるTシャツに着替える。
下は短パンのままでいっか。
ウィッグはどうしよう…。
金髪のままの方がわざわざ髪の事話す必要ないしいいかも…。
だけど、
それは絶対にだめ。
今更被っても金髪見られちゃってるし意味ないけど、私、約束守りたい。
私は黒のふわロングのウィッグを被る。
うん、昨日よりはマシになったかな…。
昨日会えたからって
だけど…会いに行かなきゃ何も始まらないから。
私はスマホを短パンの脇ポケットに入れ、水色にゴールドの星柄がついたカーテンの前まで歩く。
シャッ!
カーテンを開けリボンで留めると、ガチャ、と鍵を外し、
――――ガラッ。
私は扉を開けて飛び出す。
兎がいそうな大きな満月は少し欠けていて、
夏の夜空の星々はそれを補うようにキラキラと輝いている。
…今日は話しかけてこない。
いないのかな?
私は恐る恐る穴が空いた仕切り板を見る。
涼しい夏風が吹いた。
綺麗な白髪がなびく。
隣のベランダに
黒のTシャツに白のTシャツを重ね着し黒のスキニーパンツを穿いている。
あ、いた……。
「…今日は黒髪なんだ」
「…
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