2
*
「おい、大丈夫か?」
それから30分後、
電車内はサラリーマンや学生達で、ぎゅうぎゅう詰め状態。
そんな中私は、薄いブルーの半袖シャツを着た
「私は大丈夫…」
「
「汗くれぇ大したことねぇよ」
嘘。顔色だって悪いのに…。
高校決める時だって――――。
*
中2の夏休み前。
「あの、お母さん、進路のことなんだけど…」
セーラー服姿の私は居間のソファーでくつろぐお母さんに声をかけた。
お母さんは金髪の私と違って綺麗な黒のロングで、ほんわかなピンク色のマニュキアを爪に塗っている最中みたい。
「ありすは
「え…」
「わーかってるって」
「あ、うん…」
私はそう短く返事をすると自分の部屋に行く。
部屋に戻るとベットに座り、隣に置いてある
「制服可愛いな…」
「ありす」
開いた扉から学ラン姿の
私は座ったままサッとパンフレットを背中に隠す。
「
「
私の顔がサァーッと真っ青になる。
見られてた…。
私は首を横に振る。
「違う、たまたま見てただけで…」
「私、
「行かなくていい」
私は驚く。
「え?」
「お前は
「え、え? なんで?」
「なんでそんなこと言うの? 私はっ…」
「ありすは俺より頭がいい。無理して合わせなくていい」
私はベットから立ち上がり、
「無理なんてしない!」
「私は
「は~、うるさいわねぇ~」
「喧嘩なら外でやってよ~」
居間からお母さんの声が聞こえてきた。
「お前うるせぇし、高校も一緒だなんてうんざりだ」
「俺が話しつけてくる」
「待って!
ぱたん、と閉まる扉。
私はその場で崩れ落ちる。
涙があふれてあふれて止まらなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます