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 私、なんで受け取ってしまったんだろう。


「…それ美味しいから」

「…刺激的。じゃあな」

 男の子は部屋に戻ろうとする。


「あっ、待って」

「名前、聞かせて」


 男の子は驚いた顔をした。

「…俺のこと知らねぇの?」


「え?」


「…ほんとに知らないんだな」

「…まぁ、好都合だけど」


 好都合?


「あの?」


「…月沢怜王つきさわれお

「…お前は?」


「私は星野ほしのありす」

飾紐りぼん高校2年生」


「…俺も同じ」



「…またな、星野ほしの



 男の子はそう言って部屋に入って行った。



 同じ高校なんだ…。

 月沢怜王つきさわれおくんかぁ…かっこいい。


 …あれ?

 え、同じ高校!?

 やばい、どうしよう、髪の事みんなに言われたら…。


 それより今は、アイスキャンディー食べなきゃ。

 氷雅ひょうがお兄ちゃんに見つかったら大変だし…溶けちゃう。


 私は袋を破る。


 爽やかな甘い香り……。

 わぁ、白いサワー味のアイスキャンディー、綺麗。


 私はアイスキャンディーを食べる。


 サワーなのにヨーグルトっぽい味。

 ほんとだ、美味しい。

 刺激的でシャリシャリ弾けた甘酸っぱい感覚…。


 おまけに……頬が熱い。



 星野ほしのありす、17歳。

 刺激的な夏がやってきて、

 心に絡まったリボンがほどけ始めた。


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