Silver snow12*隣にいるって言ったのに。
1
ごめんね、
隣にいるって言ったのに、
もういられないみたい。
*
12月14日の昼休み。わたしが1年A組の教室に戻ると、わたしの席に
右隣には
左隣には
幸いゆりちゃん達はいない。
わたしはそれを見て唖然とし、固まる。
なんで
なんだろう……胸がもやもやする……。
「あっ、
「勝手に席借りちゃってごめんなさい」
「気分悪くて少し休ませてもらってたんだ」
「すぐ戻るね…あっ」
それを見てわたしは複雑な気持ちに駆られる。
「大丈夫か?
わたしの胸がどくん、とざわめく。
わたしは自分の胸に手を当てる。
どうしよう、なんか心がズキズキする。
「ごめんなさい、
「
申し訳なさそうな表情をしながら謝ってきた。
「あの、
わたしが声をかけると、
「え、でも…」
あ…、迷惑だったかな…。
でもわたし、
「気分悪いの我慢しちゃだめ。行こう」
「うん、
ガタッ、と
わたしは
「黒ずきんと桃ずきん、ほんと似てるねー」
「姉妹みたい」
周りの女の子達が言う。
「…………」
「…………」
そんなわたし達を
*
「保健室まで連れて来てくれてありがとう」
しばらくして保健室の前に着くと、
「私、
わたし、話してないのに…。
「え? なんで知って…」
「あ、
「
「
「早く教室に戻って」
「あの、
「良かったらわたしとお友達になりませんか?」
わたしが勇気を出してそう言うと、
「え?」
「え?」
わたしも驚く。
嫌だったかな…。
わたし、黒ずきんだもんね…。
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