Silver snow9*なんで本気にならないんですか?
1
え、夢なのかな…?
だって、
わたしにキスしようとするはずないもん。
*
12月10日の早朝。わたしは
本当は家で制服コーデしたかったけど、お母さんとお父さんに心配されちゃうから諦めて高校でやることに…。
短くしたスカート、腰巻きカーディガン。
髪は昨日、
「できた」
…けど、違和感が半端ない。
わたしは床に置いてある鞄のチャックを開け、ポーチから手鏡を取り出す。
手鏡に映るわたし。
見てて恥ずかしくなる。
でも慣れるしかないよね…。
胸がそわそわする。
「…教室、行こう」
わたしはチャックを閉めて鞄を右肩にかけ、1階の階段を上がって行く。
*
「あ…んっ…」
3階の廊下を歩いていると甘い声が聞こえてきた。
…あれ?
「――――!?」
わたしは目を見開く。
リボンで少し結び、ゆるふわな髪を流した女の子が
3日前、
どうしよう、これじゃ教室に入れな…。
一瞬、
まずい、見つかっちゃった…?
に、逃げよう。
わたしは慌てて近くの階段を駆け下りていく。
ツルッ。
「…………!」
あ、足が滑って…。
落ちる!
ぽすっ……。
誰かの胸の中に包まれる。
「…あっぶねぇ」
「大丈夫か?」
この声は…。
わたしと
え、なんでここに!?
って、わたし、格好…。
わたしはバッと顔を背ける。
「…
「あ…」
「一瞬、誰か分かんなかったわ」
わたしの両目から光が消えた。
それって分からないくらい変ってことだよね…。
俯き、両目をぎゅっと瞑る。
やっぱり、わたしにはこんなの似合わな…。
「可愛すぎて」
「え…」
わたしはびっくりして顔を上げる。
いつも無表情なのに…こんな
つられてわたしまで顔真っ赤になっちゃうよ。
*
「え!? 今日の黒ずきん、可愛くない!?」
朝の
短くしたスカート、腰巻きカーディガン、それに加えて、
ふわふわの銀色チェックの膝かけ。
「
「あ、ありがとう」
良かった…
わたしはホッと息を吐く。
わたしが
「
「…………」
「冷たいねぇ」
“一瞬、誰か分かんなかったわ。可愛すぎて”。
階段での
顔が熱い…。
「
「あ、うん」
「俺が撮ろうか?」
「
わたしと
「はい」
わたし達は早速写メを見る。
「
ガタッ。
*
「
「
廊下で
「何が言いたいんだよ」
「このままだと違う狼に食べられちゃうかもよ」
「例えば俺とかね」
「お前、毒林檎だろ」
「銀色狼と毒林檎なら銀色狼に砕かれて終わるかもしれない」
「でも、相手が羽が生えた雪の天使だったら」
「毒林檎の毒で眠らせることが出来るかもしれない」
「何? 宣戦布告?」
「そうだって言ったら?」
「…俺は俺のやり方で守るだけだ」
「余裕かよ」
「…ほんと邪魔だねぇ」
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