Silver snow2*おはよう。
1
今日から期間限定の恋が始まった。
だけど分かってしまう。
わたしは
*
「
12月2日。わたしはお母さんの声で目覚めた。
なんていうのは嘘で、もうとっくに起きている。
「ちょっと、
「早く起きなさい」
お母さんは階段の下からうるさく呼びかけてくる。
わたしは布団をぎゅっと掴む。
いつもはお母さんに何度か呼ばれてからしか起きられないけど、今日は自然と起きられた。
わたしは、ふ、っと笑う。
胸がドキドキする。
今日からわたしの席は
だけど、“隣の席じゃなくなるまで”だから期間限定の恋になる。
それでも嬉しい。
わたしは満面の笑みを浮かべる。
夢じゃないよね?
どうしよう、高校すごく楽しみ。
ちゅんちゅん、と心地の良い雀達の鳴き声が耳に入ってくる。
ベランダに続く扉を隠した淡い青色の雪柄のカーテンの隙間から陽の光が差し込んでいた。
わたしはベットから降りて、
シャッ!
扉のカーテンを開ける。
するとベランダで
雪みたいに真っ白な顔に銀色で珍しい綺麗柄が入った猫。
あ、隣の家の猫…。
銀雪みたいで可愛いと思っていたけど、なんでわたしのベランダに?
理由は分からないけど天使みたいな可愛い顔して寝てる…。
「今すぐ撫でたい…」
だけど、この窓を開けることが出来ない。
わたしは喘息持ちだから動物のふわふわの毛が体に良くなくて…。
両親にペット禁止にされて飼えない。
その代わりに部屋のベットにはハート型のうさぎのクッションがあって、
小さな四角いテーブルの上にはうさぎのシャーペン、近くにふわふわの雪柄の座布団、
学習机の棚には教科書が立っててパソコンもあって、
その隣には耳にリボンがついたうさぎのロップイヤーの小さな縫いぐるみを置いてる。
わたしは扉に両手の平を当てる。
「冷たっ…」
だから、こんな近くで見れて嬉しい。
「…!」
猫、むくっと起きて…。
くりくりの丸い目、可愛い…。
猫と目が合う。
「あっ」
ベランダから走って飛び降りちゃった…。
わたしはベットの横に置いてあるうさぎ型時計を見る。
わたしも着替えないと。
わたしはハンガーにかかった制服をベットの上に置く。
それと同じ色柄のリボン、ゴールドの2つボタン、両側のポケットに羽の紋章、
スカートは薄い灰色に水色のチェック柄になっていて、可愛くてお気に入り。
ふわふわパジャマと下着を脱いで、脇に制汗スプレーを少しだけしゅ~とかけた。
「ひゃっ」
良い香りだけど冷たい……。
わたしは新しい下着、ヒートテック、白のレースのブラウスを着る。
そして黒のタイツを履いてブラウスが隠れるようにスカートを履き、ブレザーを羽織って学習机の鏡を見ながら髪を
……よし、出来た。
高校行くの緊張する。
だけどいつもはいない隣の猫が今日家のベランダで寝てた。
そしてわたしを見て走って飛び降りた。
だからわたしも勇気を持って飛び出そう。
わたしは右肩にチョコレート色の鞄をかけ、灰色のダッフルコートにふわふわのマフラーを持って、
ガチャッ。
扉を開けて部屋から出た。
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