新しい世界へ!



悠たちが光に包まれた瞬間、周囲に漂う感覚が一変した。足元に重みを感じ、冷たい風が頬を撫でる。気がつくと、彼らは見知らぬ大地に立っていた。


「ここが…新しい世界?」リリアが周囲を見渡す。


そこは荒涼とした大地だった。遠くには黒煙を上げる都市が見え、空は薄暗く、どこか不吉な雰囲気が漂っている。草木は枯れ果て、風に乗って不気味な囁きが耳に届く。


「なんだか…歓迎されてない感じですね。」セリナが不安げに言った。


そのとき、悠の肩に軽く何かが乗った。振り向くと、案内役のピリィがふわふわと浮いていた。


「やあやあ、無事に到着できたみたいだね!ここが君たちの新しいフィールドだ!」


悠はピリィをじっと見つめながら、疑いの目を向ける。「これ、本当に大丈夫なのか?いきなり雰囲気最悪なんだが。」


「ははは、まあまあ。」ピリィは愛嬌たっぷりに笑いながら言った。「確かに荒れ果ててるけど、ここには大きな可能性が眠っているんだよ!それに、最初から楽だったら君たちの腕が鈍っちゃうだろ?」


「…まぁ、それもそうか。」悠は頭をかきながらため息をついた。「で、具体的に何をすればいいんだ?」


ピリィは宙にくるりと回転しながら説明を始めた。「まずは、この世界の『キーとなる存在』を見つけること。彼らはこの荒廃した世界を再生するための重要なカギになるんだ。」


「キーとなる存在?」リリアが首をかしげる。「具体的にどういう人たちなの?」


「それはまだ内緒!」ピリィはいたずらっぽくウインクした。「でも、すぐに分かるさ。あ、ちなみに最初の目標はあの都市だよ。」


ピリィが指差した先には、先ほど見えた黒煙を上げる都市が広がっている。


「待てよ。」悠が立ち止まり、険しい顔をする。「あの都市、明らかに戦争状態だぞ。」


遠くから響く爆発音と悲鳴が耳に届く。建物は崩れ、炎が舞い上がっている。


「そう、だから急いで向かうんだ!」ピリィが真剣な表情になる。「君たちがそこに介入しなければ、あの都市は完全に滅びてしまう。そして、その滅亡がこの世界全体に悪影響を及ぼすことになるんだよ。」


セリナが意を決したように頷いた。「行きましょう。ここで躊躇していたら、何のためにこの世界に来たのかわかりません。」


リリアも同意し、悠は肩の力を抜いて小さく息をついた。「よし、行こう。これが俺たちの新しい冒険の始まりだ。」


ピリィは楽しそうに宙を舞いながら彼らを先導する。「素晴らしい決断だね!さあ、全力で走ろう!」


こうして悠たちは、新たな世界で最初の試練となる都市の危機に立ち向かうために歩き出した。この荒廃した地で何が待っているのか、彼らはまだ知らない。しかし、それが魂をさらに成長させるための道であることは、確信に変わりつつあった。

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