……???
俺が自己紹介した時からクラスでめちゃジッと本読んでる女の子が居てもう色々気になった。
本好きとして上がるシンパシーも感じたし、
なに読んでるのかも知りたかったから透視魔法を使ってブックカバーの向こう側、
タイトルとか見れば谷崎潤一郎の〝痴人の愛〟、
俺の推し小説の一つだったからチョクですっごいテンション高まって心笑顔に気分が浮いて、
彼女と絶対仲良くなろうって決めた。
……ただ、彼女、自己紹介タイムによれば〝佳織ちゃん〟はチョット目立つのがイヤっぽいみたいだったし、
なんか人間シャカイのクラスカーストもめんどそーだし佳織ちゃんに迷惑かけたくないし、
佳織ちゃんトコ行く流れはちゃんとしなきゃな、って思った。
とりあえずさっきからクラスメートみんな注目してくれてるし、
自己紹介終われば自由時間で俺の席ワラワラ集まってくれそうだから、
そこでお喋りしてチョットずつ趣味の話題に変えてって、
最終的に本の話題から見たまま読書好きな佳織ちゃんとこ行くって予定、仲良し計画が良さそうだから、
ちょっと張り切ってクラスメート勢をお喋り操作することにした。
******
で上手く行った、行ってる。
席たって佳織ちゃんトコ向かい始めると彼女はちっちゃくも分かりやすくビクついて可愛い、
ほんと内気なんだってまたひとつ分かって嬉しいし、
でもちょい俺のSっ気というか軽くからかいたくなってくる、
子猫のびっくり顔見たらカワイイよね的な感じで。佳織ちゃん、もっとずっと可愛いし。
だからココはあえてずっと後ろから近づいてって、
佳織ちゃんの背中、純な後ろ頭に声かけることにした。
だってそっちのがびっくりしてくれそうで、
小動物よりふるふるって可愛いとこ、見れそうだしハイ決定、やってみるー♪
******
佳織ちゃん、可愛い。
もう可愛い、まじ凄い。
はじめめっちゃビクついてカチンコチン、ちっちゃくお返事してくれてたのもウブ可愛さでキュンとしてゾクゾクして超可愛かったけど、そのあと俺が本好きムードに持ってったら佳織ちゃん雰囲気パッと明るくして、見て分かるワクワクでいっぱい答えてくれたからもっと見惚れちゃうし可愛い、話が合って楽しいし可愛いし絶対彼女にする、先ずは焦らず名前呼び同士に持ってって、ナチュラルに毎日会う約束して信頼を深めてく、的な?イイねやろう、佳織ちゃんも俺のことカッコいいとか綺麗だって思ってくれてるぽい感じ、俺に見入っちゃう緊張もしてくれてたみたいだしイケそう、もうパルファム、香りに魔力乗っけて佳織ちゃんに魔法のマーキング済ませたし魔族はほぼライバルにならない、気を付けるのは主に人間だな、佳織ちゃん可愛いし狙ってるヤツいたらめんどっちぃカンジ、まあ俺イケメンだし佳織ちゃんと仲良いアピールして佳織ちゃんのこと特に男子から孤立させてけばイっか、あと女子から佳織ちゃんが狙われない程度にクラスメートの1軍勢とナカヨシ継続させてく方針でオッケーかな多分、とにかく佳織ちゃんの安全と安寧を最優先で、俺ンこと好きにさせてこ、マジでっ!
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……佳織ちゃん、めっちゃ素直だよね。
いちお俺のこと警戒してたぽいのに、数日でやわらかーくほだされてくれたし心配、でも可愛い。俺がぜッたい守らなきゃって思うし、ずっと傍で一緒に居てほしい、佳織ちゃんも俺も好きな本の話とか、それに音楽も映画もファッションもコスメも、色んな話を尽きず一緒に、していたい。あとまったりムードで話とかあえてしない感じに、ぼーっとソファに座ったり、二人で寝転んだりもしてみたい。今も佳織ちゃん、小説のレポート書いてそれ俺に読ませてくれるとか優しいし嬉しいし、もっともっと好き同士になりたい。まぁバイトも一緒にやれそうだしダイジョブそうかな、もち盗撮盗聴とかは俺的にNGだけど(直接見聞きする楽しみもなくなっちゃうし、なんか追うにしてもフンイキ近過ぎるし)、佳織ちゃんとラインや連絡先交換した時に隠密で魔力込めて魔法使って、佳織ちゃんアンドご家族のスマホとかPCの予定をオートで把握できるようにしてるから最近佳織ちゃんがバイト先候補を慎重に選び選びしてるのも知ってる(緊張とか注意深さとか伝わってきて、可愛いっ!)、後は佳織ちゃんが働くお店を決めたら、面接の日が被らないように俺も応募して面接の会話と、あともしもなら魅了魔法使ってでもオッケーもらえば佳織ちゃんともっと近付けるし楽しみっ♪佳織ちゃん、ガッコの図書室で本借りてるから本屋とか図書館で会いまくることとか出来ないし、今回のバイトタイムを上手く使っていかなきゃ、なッ!バイトで長めに一緒になれるのめちゃ楽しみ、佳織ちゃんともっと一緒に居れるの、楽しみだーっ!♪
******
ヨシ。よし、よしよしよしオッケー!♪デートの約束、佳織ちゃんと出来たっ!ヨシッ!!♪
佳織ちゃんバイトで俺が居たのも疑いゼロで喜んでくれたしほんと可愛かったけど、
デートの約束のときもまじ、マジ可愛かった……!!
ちょっと恥ずかしがりながら嬉しそうにして、〝楽しみにしてる〟って言ってくれて、俺もう多幸感がやッばいわ!ほんと可愛いッ、佳織ちゃん!!
もうデートでもシンプル張り切らないとなー、佳織ちゃんのこと、いっぱい楽しませてあげなきゃ!
******
……ぁ、やばい、可愛い。抑えるの、つらい。
佳織ちゃん、俺にピアスの穴、耳空けてもらって、そんな嬉しかったんだ。
好きって、佳織ちゃんから言ってくれるんだ。
嬉しい。好きで好きで、俺の心に熱い竜巻が、風速何千メートルでハシャイでる。やばい、嬉しいのがキュッとして、佳織ちゃんがいっぱい好き。可愛い。佳織ちゃん、可愛い。
態度保つのが、限界に近いけど、でも佳織ちゃん、俺も好きってほんとのこと言ったら、喜んでくれて熱い涙、幸せの涙までくれて、俺の方も泣きたくなってくる、抑える、カッコいいって思われたいから、抑える。
……好きな人、佳織ちゃんと両思いって、こんなに熱くてあったかくて、嬉しいことなんだ。
そっか。恋人どうしで、幸せなの、そっか。
好き。大好き。
佳織ちゃん、これからもずっと一緒に、よろしくね。
<END>
【★魔界コソコソQ&A】
Q.ひょっとしてですが、ブランくんはヤンデレなのでしょうか?
A.似てるかもですが、厳密には違います。
一般的なヤンデレさんは自分の想いと思い込み最優先で、相手の気持ちを慮ることがあまりできない感じですが、
ブランくんは基本的に、佳織さんの気持ちやしたいこと、話したいことを最優先に行動します。
ただ、佳織さんの好意を得るためには手段を選ばない所があるのはれっきとした事実ですので、
あえて言うならば、〝一途な悪人〟というのが近いんじゃないかな、と思います。
Q.作中でブランくんは一度も怒りませんでしたが、もし怒るとどんな感じになるのでしょうか?
A.端的に言って、めちゃめちゃ怖いです。
静かに鋭く、この上なく冷然とした怒気を、氷山の刃みたいに突き刺してきます。
ただ、好きな人(=佳織さん)に対して怒ることは、天地がひっくり返ってもありえません。
Q.ブランくんって、もし魔族っぽく戦うとかがあれば、一体どんな強さなのでしょうか?
あと、そもそも種族が争い事に不向きっぽい淫魔なのに、きちんと戦うことができるのでしょうか?
A.ご安心ください、ちゃんと強いです。
ブランくんは魔界での、人間界編入試験(=筆記も物理的・魔法的な実技も含む、超高難易度試験)に悠々合格した傑物ですので、
魔法中心に大抵の敵を〝静かに瞬殺〟してくれます。
派手な魔法なども十全に使えるのですが、ブランくんの練度が高すぎて、戦い全体を常にサラッと終わらせちゃう感じです。
……あと、佳織さんの身の安全を最優先に行動してくれるので、
もしブランくんに(佳織さんと離れての)出撃・出動の要請を出しても、
ほぼ確実にスマホ即切りで断られます。仕方ないですね。
Q.ブランくんの好きな本を教えて下さい!
A.沢山ありますが、その中でも特に好きな本は、
〝細雪〟
〝痴人の愛〟
〝ニードフル・シングス〟
〝ルバイヤート〟
これらの4作品となります。
……ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!
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