第三部:創作の喜びを取り戻す
数字の呪縛から解放されたとき、私の中に一つの変化が生まれた。それは、純粋に「作りたいから作る」という感覚だった。誰に見せるか、どれだけ評価されるかは後回し。ただ、自分の中で湧き上がるアイデアや感情を形にすることだけに集中できるようになったのだ。
以前は、どこかで「この作品はどのくらいの数字を稼げるだろう」という計算が頭をよぎっていた。それがなくなると、肩の力が抜け、作品そのものに没頭できるようになった。数字を意識せずに作った作品は、どれも自分にとって特別なものになった。たとえ誰にも見られなくても、それを作った時間とプロセスが、自分を満たしてくれる。創作の原点に戻ったような感覚だった。
もちろん、数字が気にならないわけではない。今でも作品を投稿すれば反応が気になることはある。しかし、その反応が思わしくなくても、深く落ち込むことはなくなった。なぜなら、私の創作の価値は数字にあるのではなく、自分の中で湧き出たものを形にすることそのものにあるからだ。
数字に左右されない心を持つことで、空想の力も以前より豊かになった。自分のためだけに書くという意識が、創作の自由度を高め、制約を外してくれたように感じる。何を作るか、どう表現するかはすべて自分の自由だ。この自由こそが、創作の醍醐味であり、最大の喜びだと再確認した。
これからも私は、数字に振り回されることなく、自分の創作に集中していきたいと思う。数字が増えようが減ろうが、それはただの数字に過ぎない。大切なのは、自分が心から楽しめるかどうか、そしてその楽しさを作品に込められるかどうかだ。数字では測れない創作の価値を、私はこれからも信じ続けていきたい。
結びに
創作の世界は広大で、数字という小さな枠に収まるものではない。数字に囚われることなく、自分の想像力と感性を信じて生きる――それが私の創作の指針だ。創作の喜びを取り戻した今、その心構えが私の支えとなっている。
数字に踊らされない精神 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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