私を称えてくれ

自分を救うために、小説を書き続けてきた。

しかし、プロの小説家というワケではないし、オリジナル小説を書き上げたこともない。


そんな私が、ある作品の影響で、自分がどうしようもなく“創作者”なのだと分かった。

それは、「SHIROBAKO」という、アニメ制作アニメである。

なんとなく最後まで眺めているスタッフロールの名前のひとりひとりが、血の通った人間であり、己の創作に真摯に向き合っているのだと理解した時は、心底物語の作り手に感謝した。


その数年後。私は、創作者の業について考えることになる。

きっかけとなったのは、「Re:CREATORS」というアニメだ。

私は、このアニメを創作讃歌であり、創作者への祝福と呪いだと思っている。

Re:CREATORSは、創作者と被造物が現実世界で対面することになる物語だ。

私は、自分が生み出したキャラクターに、「何故そんな酷いことをした?」と訊かれたら、どうするだろうか。きっと、「物語として必要だったから」と答えると思う。

キャラクターに詰られても、私が書かない理由にはならない。

だって、手垢のつきまくった設定だとしても、私が書かない理由にはならなかった。

何者にもなれなくても、私が書かない理由にはならなかった。

残酷だと言われても、私が書かない理由にはならない。

気付けば私は、20年くらい小説を書き続けている。

呼吸をするように書いてきた。

散々な目にも遭ったが、筆を折ろうと思ったことはない。

クソみたいな匿名投書のせいで、誹謗中傷のせいで、クリエイターがやらかしたせいで、書くのをやめた人を見てきた。

私も同じことを経験しているが、ペンを握り続けているのは、執念のようなものがあるからかもしれない。

私は、記憶力がよく、執念深く、憎い奴らは末代まで祟るタイプなので。

あと、怒りや殺意を力に変えることもある物書きだから。


何はともあれ、私は創作者であり続けている。

なんかもう、死ぬまで書いてるんじゃないかな。

感想とか称賛とか、反応すら何ひとつなくても書いてるし。

とはいえ、何かしらの好意的な反応をいただけるとめちゃくちゃ喜び、スクショし、メモアプリに保存し、ことあるごとに読み返しています。感想は毎秒欲しいタイプです。よろしく。


人は届かぬ星にも手を伸ばす。って、Sound HorizonとかTYPE-MOONとかTRUMPシリーズとかが言ってました。

私は、一生そういう夢を見続けるのだろう。

美しいものを見たくて。美しいものを生み出したくて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る