私が魔女になった理由
お姫様にも王子様にも憧れた記憶がない。
私は、魔女になりたかった。
最初にそう思ったのは、ディズニーアニメのシンデレラを見た時。
自分で自分のために魔法を使いたいと思った。そうなれたら、ランプの魔人に頼る必要もないし。
小学校の教室で、ホラー小説やオカルトの本を読んでいると、クラスメイトの男子は、私を魔王や魔女と呼んだりした。いや、魔王は余計なんですけど。本名が魔王っぽいためそう呼ばれて、誠に遺憾です。
私は、ずる賢く生きていきたいと思い、実際わりと小賢しいガキだったと思う。
後に、私の生き方には、“真面目系クズ”という名前が付いた。
夏休みの宿題をすぐにやる派ではなく、最終日に必死にやる派でもなく、宿題をやらない派だった。
意外と、夏休みの宿題をやらない派に会ったことがない。自分の弟以外は。いや、そんなアホがゴロゴロいたら困るが。
私は、興味のあることなら何でも自分で調べて覚えるという典型的なオタクの子供であった。
そして、世界中のまじないを集めれば、最強のまじないが作れるのではないか? と考えて、独自研究をしていたところ、ヘレナ・P・ブラヴァツキーがすでに似たようなことをやっていて、「先人がいた!」と喜びとガッカリを半分ずつ味わった。
私のホラー好きの源流は、「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」である。
その後、「地獄先生ぬ〜べ〜」のアニメを見て、よりホラーが好きになった。
私が小学生の頃、まだ口裂け女は現役で、こっくりさんと人面犬と並ぶ人気を誇っていた。
ちなみに私と友人ふたりは、こっくりさんのヘビーユーザーであり、公園で“あいうえお表”を広げて十円玉に人差し指を乗せるのが大好き。
そして、ある日。見事にこっくりさんに呪われた。十円玉は「ころす」と示す。
友人のひとりは、恐怖で泣く始末。そこで私は、形代を作って身代わりにすることを提案した。人形を作り、三人の髪の毛を入れて完成させたそれのおかげかは分からないが、私は今日まで生きている。イエーイ。
呪われてから、私たちは、こっくりさんをやるのをやめた。
今でも、その人形は私の部屋にしまってある。
あとは、火遊びが大好きで、祖父の山で色々なものを燃やした知識を活かし、地元の城跡公園でよく燃える草を集めて火を着けたら、思っていた十倍くらいデカい炎が上がり、山火事&セルフ火炙りの刑になりかけたりした。魔女要素です。
その時も呪われ三人組でいたので、みんなで砂をかけて鎮火した。よかった、三人いて。
この小学生トリオは、みんな魔女になりたいと多かれ少なかれ思っている仲間だった。
ここで重要なのは、私が創りたいものの起源がオカルトだというところである。
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