第7話

「え・・・っと うん・・・・・・」

私は、戸惑いながらもコクっと頷いた。


話しかけられただけなのに、さっきリョウちゃんが変なことを言うから、トオルくんのことを意識しちゃったじゃない・・・・・・。




「リョウとなか、いいんだね」

すると突然、トオルくんは、とんでもないことを言い出した‥―――。




「リョウとは、もう”Hえっち”は したの?」

「・・・・・・」



しばし沈黙‥―――。


な、何か言わなきゃ・・・。

え~っと・・・・・・。


トオルくんは、何か面白いものでも見つけたみたいにこっちをじっと眺めていた。

そしてようやく口をついて出て来た言葉は‥―――。


「そそそんなこと・・・・・・ある訳ないじゃない。只の幼馴染みだし・・・・・・」

もう、ドキドキしまくって動揺が止まらない。




うぅ~ この状況、耐えられない・・・・・・。

リョウちゃん 早く帰って来ないかなぁ~。

・・・って、自分が教室から追いだしたことをいつの間にか、私は忘れていた。




するとトオルくんは、ニコニコと微笑んで「そうなんだぁ」って、小声で言ったかと思うと‥

「じゃぁ リョウとは、『まだ』何の関係もないんだ」

「・・・・・・」




じゃぁ リョウとは、まだ何の関係もないんだ・・・・・・




は?

それって・・・どういうこと?

何を言っているのか意味が分かんない。


「じゃぁさ、他に『彼氏かれし』とか出来た?」


しつこく訊いてくる彼に当時の私は、恐らく真っ赤な顔をしていたんだろう。

首を大きく横に振った。

そういう私を見てトオルくんは、「可愛いね、サオリちゃん」

‥――って、ニコニコと笑みを浮かべてた。




どどどうしよう・・・。

こっちをじっと見られてる。


恥ずかしくなって、下を向いていると‥―――。




「ねぇ サオリちゃん・・・」

って、突然彼に話しかけられた。


「付き合っている『やつ』いないんだったらさ、今度オレとデートしようよ」

「・・・・・・」


余りにも急な展開に頭がついていかない。




もしかして、サオリ・・・。

今 クドかれちゃってる・・・・・・?

昨日、ちょっとだけ会話したばかりなのに。

もしかして、いきなり「デート」の誘い・・・・・・?




今まで「男の子」からそんなふうに言われたことはなかった。

急に、心臓がドキドキしてきた。

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