或る怪談師の調査報告書について

週刊真実 2021年4月号

　【山中で発見された“失踪者”――警察通報中に再び消えた男の行方は】

　栃木県の山間部で、半年前から行方不明となっていた男性と特徴が一致する人物が発見されるも、身柄確保直後に再び姿を消すという不可解な出来事が発生した。地域住民や捜査関係者の間で動揺が広がっている。

　事件の発端は、地元に住むA氏（50代・男性）が山中で助けを求める男性に遭遇したことだった。男性は痩せこけ、服は泥だらけ。長期間山中を彷徨ったかのような憔悴しきった様子だったという。男性は「追われている」と語り、自身を「ワタナベタダオ」と名乗った。

　【半年前の失踪事件との接点】

　警察が注目したのは、この「ワタナベタダオ」という名だった。男性の特徴が、半年前に栃木県内で失踪したカメラ販売会社勤務の渡辺忠夫さん（30代）と一致していたのだ。渡辺さんは職場を出たまま行方不明となり、その後の足取りは完全に途絶えていた。

　当時、渡辺さんは『気になることがある』と話していたそうです。同僚がその様子を心配していましたが、突然の失踪でした」と、渡辺さんの知人は振り返る。

　【突然の再失踪】

　A氏は「ワタナベ」を自宅に保護し、警察に通報。A氏が最寄りの交番へ向かう間、男性は自宅で待機しているはずだった。だが、A氏が戻った時にはすでに姿はなく、A氏の自宅には泥の付いた足跡だけが残されていた。さらに、自宅付近には別の靴跡が発見されており、複数の人物が関与した可能性もある。

　地元警察は捜索を強化し、現場周辺の聞き込みを開始。しかし、渡辺さん本人であるかどうかの確認も含め、確たる手がかりは未だ見つかっていない。

　【「追われている」という言葉の意味】

　不可解なのは、男性がA氏に繰り返し「追われている」と訴えていたことだ。一体何に追われていたのか。A氏は「誰かの名前や具体的なことを言おうとしているように見えたが、突然口を閉ざした」と語る。

　渡辺さんの失踪を巡り、一部では職場でのトラブルや借金問題の可能性も指摘されていた。しかし、今回の件で新たな事実が浮上するのか、捜査関係者も慎重に調査を進めている。

　「A氏の自宅で男性が突然消えたことも含めて謎が多い。渡辺さん本人であれば、失踪前の行動についても重要な手がかりがあるはず」と警察関係者は語る。

　【今後の捜査に注目】

　この事件は地元だけでなく全国的な関心を集め始めている。半年の空白期間に渡辺さんに何があったのか。そして彼が再び姿を消した理由は何なのか。警察は行方を追うとともに、失踪の背景を調べる方針だ。

　週刊真実編集部では、渡辺さんの失踪にまつわる情報を募集しています。続報が入り次第、詳しくお伝えします。