DM

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 怨リョウスケ

 (2024年5月 地方の怪談イベントにて)

 

 最近短文投稿用のSNSでおかしな人間に絡まれてるんですよ。

 

 「面白い話があります。聞いて頂きたいので会えませんか?」

 

 いきなりこんな事言ってきて、気持ち悪いですよね。


 私が怪談師だってことは知ってのことでしょうけど。


 会って話を聞けなんて言われても。


 まあ無視しますよね。


 そしたら次の日にまた。

 

 「面白い話があります。聞いて下さい」

 

 正直しつこいなと思ったんですけど、まあほっとくことにしました。それから忙しくて、SNSをチェックするのも忘れてまして、三日ほど経ってました。


 「面白い話があります。どうか会って下さい」

 

 「面白い話があります。どこに行けばいいですか?」

 

 「面白い話があります。どうか会って話しましょう」

 

 必ず一日一回送ってくるんですよ。流石にムカついて、ブロックしたんです。それから二、三日は静かになったんですが。


 そうしたら。


 今度は違うアカウントから同じようなメッセージが届いてきたんですよ。

 

 「面白い話があります。聞いて下さい」


 もううんざりして、即ブロックしました。


 職業柄、DMは解放しておきたかったんですがフォローしてないとDM出来ないように設定も変えました。


 そしたら今度は、相互フォローしてるアカウントから。


 「聞け聞けキケきけ聞けキケキケいいからキケ」

 

 ほら、マジでイカれてるでしょ。


 というかこれ、Bot系のどうでもいいアカウントなんですけど、なんとなくフォローしてたんです。


 別に知り合いって訳でもないんですけど。


 こいつだったのかって頭に血が登って。


 ついに返信しました。


 「テメェいいかげんにしろよ、何が目的なんだよ!こんな嫌がらせして楽しいかよ!」


 そしたら──メッセージを返してすぐ電話がかかってきたんです。非通知設定で。


 正直ビビリました。なんで僕の電話番号知ってるんだよって。そう思いますよね。


 無視しようか迷ったんですけど。たまたまメッセージ打った直後だっただけで、こいつじゃないかもしれないし、恐る恐る出たんです。


 「も…もしもし」


 そしたら。


 「いつアッテくれるンだよ」


 妙な機械音で話すんです。ボイスチェンジャーを使ってたんでしょう。


 「お前、なんで番号知ってるんだよ!ふざけんなよ、付き纏うな!」


 「アナタ何まだ続いてルヨ?希望ナンテ無いよォ」


 「は?お前聞いてるのかよ」


 「オマエのせいで終わらナいヨ。オマエのセイだよぁあ」


 全然噛み合わないんです。話が通じない相手というのは怖い。正直背筋が凍りました。


 「お前もう連絡してくるな!わかったか!」


 「オマエノセイダ、オマエガミタかったカラ、ドウシてだ!ふざけてるなぁああああ!」

 最後は絶叫が響いて電話は切れました。


 もうこっちは放心状態ですよ。


 ブロックしたアカウントやBot系のアカウントはすぐ削除されて、それから変なDMは届かなくなりました。


 一体なんだったのでしょう。


 そんな不思議な出来事でした。

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