SCENE:4 『QUEST』
燦々と太陽が照り付ける。
川縁で男性二人が釣りをしている。
竿を前に掲げながら会話を交わす。
「どうだ? 最近の畑の調子は」
「全然だめだな。【ヤマイヌ】共が荒らしてきやがるからなぁ」
「やっぱりこの村も一人くらい【セイヴァー】を雇った方がいいんじゃないか」
「最近は常識が通じないヤバい奴も増えてきてるってんで村長が博打はしたくないって渋っているんだよな」
「確かに。だったら民間人向けの武装を揃えた方がいいという考え方もあるな」
二人ともお互いに顔を動かさず竿を構えていた。
「俺たちが武装したとして倒せると思うか?」
「いやー俺たちには戦闘経験ないからな。村の誰か一人でも犠牲になったら大ごとだ」
「やっぱり誰か雇わなきゃ駄目か」
「せめて元凶の【オオヤマイヌ】を何とかしてくれる人がいれば大助かりなんだけどなぁ」
男の片方の頭上に赤い[!]が浮かんでいた。
「あの赤い「!]は?」
村にたどり着き、数軒の家を確認した横に釣りをしている男二人が目立っていた。
『あれは[クエストマーク]ですね。あの人に話しかけると話が進みますよぉ』
「アレを避けるとどうなる?」
『次に行く為の[ゲート]が開かないですね』
「……それじゃぁクエスト受けてこなしてから前に進もう」
『了解です~』
「あのすみません」
釣りをしている二人に話しかけた。
「ん? ああすまねぇ声が大きかったか?」
二人はコチラに顔を向けた。しかし表情が暗い。
すると奥側にいた男が、自分の腰から垂れるチェーンに気付いたのか食い気味に反応した。
「【ウェポンチェーン】! もしかしてあんた【セイヴァー】だったりするか?」
男二人は食い気味に固まったまま、こちらの返答を待っているようだった。
「【イヴ】、【セイヴァー】 ってなんだ」
『【ウェポンチェーン】という戦闘力を持つ人の総称ですねぇ。傭兵や戦士を全部まとめた呼称を【セイヴァー】という認識で間違いないですよぉ』
「よし、これは[そうだ]と答えればいいんだな」
と、その言葉を待っていたかのように男二人は嬉しそうに動き出した。
「そうかそうか! よく来てくれた!」
「こんな田舎に【セイヴァー】が来てくれるなんて想像もしてなかったよ!」
「こんなところですまないが、ワシ等のお願いを聞いてくれないか?」
「選択肢は……[いいよ]。」
片方の男の頭上から赤い[!]が消えた。
「これはありがたい! あんたの名前を聞いてもいいか?」
「あ……あぁ。俺の名前は【アダムズ】だ。」
「【アダムズ】さん! この村では最近沢山の【ヤマイヌ】に作物を荒らされてるんだ。【オオヤマイヌ】がこの辺に縄張りとして居付いたせいだ。あいつらを追っ払ってくれ!」
「場所は戻った森の最深部にある洞窟のさらに奥にヤツはいる。【アダムズ】さん、頼んだぞ!」
一通りの話を終えたのか、男二人は釣りに戻った。
「……これでいいのか?」
『はい、それじゃ【オオヤマイヌ】を追っ払いに行きましょう』
村について早々だったが、森の方に駆けていった。
SCENE:4 『QUEST』 END...
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