第40話
???「お料理試験?」
???「そうなのよ〜」
???「桃時さん料理するんですか?」
ここは、冥府。雨花の仕事部屋で「紫雲雨花」と「不山橙」。そして「桃時」は話し合いをしていた。
桃時「アタシ普段料理しないのよね〜」
雨花「そもそもお料理試験ってなあに?」
桃時「それは……」
「「アタシのあの能天気上司が勝手に決めた社員強制参加の試験なのよ!!!!」」
雨花「へえ〜そうなんだ」
橙「そうなんですね」
橙は、冷静に返し、雨花は桃時が持ってきた「お料理試験」の要項の紙をペラペラとめくりながら読んでいる。
桃時「あんたたち反応薄すぎ!!本当に困ってるのよ!!」
桃時は、机にばんと手を乗せた。
桃時「あの上司。上の神様と繋がりがあって、結構仲良くて、上の神様が料理にハマってるらしく、自分も料理をしてみようと想って、せっかくなら社員にも料理させてあげようって話になったらしくて……それで上司同士が話し合いして決まったのがこの強制参加の試験なのよ……試験なら社員の力も向上するからって……」
雨花「時々出てくるね。桃時ちゃんの上司。」
桃時「その上司の方のせいで私たちは……」
橙の話が気になる人は「透明色の彼岸花19話」をお読み下さい<(_ _)>(宣伝すみません)
桃時「とにかく試験に合格しないとオフィスに名前と顔写真一週間張り出されるのよ!!頼むからアタシに料理教えて!!」
雨花「そういうことならわたしn」
桃時「お願い!橙!」
雨花「え?」
橙「別に良いですけど……」
桃時「よっしゃ!」
雨花「ちょっと!わたしじゃないの!?」
桃時「あんた料理できるの?」
雨花「どやさぁ!」
桃時「なんか心配だから大丈夫」
雨花「えぇ!?そんなぁ……」
橙「雨花さんが料理してるところみたことないですよ?本当に作れるんですか?」
雨花「うん!瑠璃くんよりは!」
桃時「あいつと比べたら大抵の人が料理上手になるわよ」
橙「ダークマター製造機……」
桃時「とにかく橙に教えて貰うから大丈夫」
雨花「えぇ〜〜」
こうして、桃時は橙に教えてもらうことになった。
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桃時「よしちゃんと具材は買ったし、後は橙の家に行けば良いわね。」
雨花「…………」
桃時「何じっとみてんのよ。っていうか……」
「「何で付いてきてんのよ!?!?」」
雨花「だって桃時ちゃんに教えたいんだもん」
桃時「だから橙に教えて貰うから大丈夫なの!」
雨花「まぁでも付いていくぐらい良いでしょ?」
桃時「別にいいけど……」
こうして、桃時の元に勝手に雨花が付いてきたが、一緒に行くことになった。
橙「いらっしゃいです。桃時さん。……あれ?雨花さんもいるんですか?」
雨花「うん!」
桃時「勝手に付いて来たのよ。こいつ」
橙「まぁ賑やかになって良いんじゃないですか?どうぞ中へ」
早速桃時と橙は、台所へ入った。
雨花「わたしは見学してるね〜!」
雨花はダイニングチェアに座って二人を見守っている。
橙「では、早速桃時さんが買って下さった材料を出して貰えますか?」
桃時「分かったわ」
そして桃時は、材料を広げる。
橙「こ、これは……!」
桃時「どうしたの?」
橙「この材料は……」
「「いちごタルト!!!!」」
雨花「…………」
桃時「そうだけど何か問題なの?」
橙「私はお菓子作りはできません……」
桃時「え!?どうしてよ?」
橙「私は和食やイタリア料理、フレンチなどの洋食などいわゆる「お料理」というものできますが、「お菓子作り」はできません……」
桃時「お菓子作りもお料理も似たようなものじゃないの?」
雨花「違います。料理は材料や調味料をあまり細かく計測したりしません。もちろん最初はレシピ通りに作りますが、その間でも味見ができたり、自分好みの味に途中から変えることがある程度出来ます。でもお菓子作りは一つ一つの材料の量もとても重要ですし、レシピに忠実につくる必要がお料理作りより高いんです。私はお菓子作り経験はあまりないのでお菓子作りはできません。」
桃時「じゃあどうするのよ……!」
雨花「ふぃ〜ふ〜ふ〜」
橙・桃時「?」
雨花は下手くそながら口笛を吹いて、桃時たちに視線を向けようとしている。
橙「もしかして……!」
桃時「あんたできるの……!?」
雨花「ふっふっふっ!!」
雨花はドヤ顔している。つまり……
橙「知りませんでした……雨花さんが……」
「「お菓子作りができるだなんて!!」」
雨花「さぁ桃時ちゃん?頼み事をする時はどんな態度が適切かなぁ??」
雨花はとても悪い顔して、桃時を煽る。
桃時「くっ……!散々あんたに文句言って……その……すみませんでした!!!!教えてください!!!!」
雨花「よろしい!良いでしょう!教えてしんぜよう!」
「まぁ……」と、雨花が付け加える。
雨花「黙ってたのは桃時ちゃんの発言に怒ってたんじゃなくて、桃時ちゃんの悔しがる顔がみたかったからなんだけどね?ぷぷぷっ」
桃時「なっ!!あんた!最低ね!!」
「あはは!ごめんごめん!」「全くあんたと来たら……!!」
雨花に桃時が怒りながらも笑いあっている。
橙「雨花さんふざけることで桃時さんの罪悪感を消したんですかね。ふふっ」
橙は一人微笑みながら、呟いたのだった。
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橙「そういえばいつから桃時さんがお菓子作りをしたいって気づいてたんですか?雨花さん?」
三人は、桃時が雨花に作り方を教えて貰ったいちごタルトを食べながら、談笑していた。
雨花「ん?桃時ちゃんがお料理試験の要項をくれた時から」
桃時「なっ!最初から気づいてたんじゃない!」
雨花「でももしかしたら橙ちゃん、わたしの知らない内にお菓子作りできるようになったのかなって想ったから。なら付いて行ったら分かるかなって想って!だから一緒に行ったの〜」
橙「でもそのおかげでお菓子作りできるようになったなら結果オーライですね。」
桃時「まぁそうね。また教えてくれるかしら?雨花。」
雨花「もちろん!良いよ!」
こうして三人は食べながら笑い、話に花を咲かせたのだった。
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