透明色の彼岸花

第35話

？？？「ふふ〜ん、あ・め・か！」

？？？「はぁ……」

？？？「大丈夫ですか？雨花さん」

ここは、冥府。「紫雲雨花」は妖怪である「化茶」に絡まれていた。それを心配しているのが「不山橙」。

化茶「なぁ雨花遊ぼうぜぇ〜アタイはお前と早く仲良くなりたいんだよ〜」

雨花「なりたくないです」

化茶「そんな事言うなよ〜ちょっとアタイの部屋に来てくれるだけで良いんだんだよ。くくっ。」

雨花「それ絶対あぶいやつだよね……絶対調教とかSMプレイとかするつもりでしょ」

橙「雨花さん。そういう言葉は謹んで……」

化茶「とにかくお前と遊びたいんだよ〜！！」

雨花「絶対嫌だ」

雨花は一向に譲らない。それでも化茶は譲らない。

橙「化茶さん。それぐらいにした方が……雨花さんが本気でキレたら大変なことに……！」

化茶「ああん？お前には言ってねぇよ」

橙「えぇ……」

雨花「橙ちゃんに当たらないでくれる？」

化茶「あぁ悪かった悪かった。じゃあ一つだけ！一つだけで良いから言うこと聴いてくれないか？な？」

雨花も押し問答で疲れていたので、仕方なく了承することにした。

雨花「分かったよ。本当に一個だけね」

化茶「やったぁ！アタイのやりたいことはね……」

「「ケモ耳を付けること！！！！」」

雨花「…………え？」

橙「なんか急にファンシーですね。」

化茶「アタイずっと雨花にケモ耳付けたかったんだ！」

雨花「本当にそれだけ？亀甲縛りとかやばい薬で薬漬けとかそういうのはしないの？」

化茶「それも好きだけど雨花は強情だから中々上手くできないだろうし、まずはお手軽なケモ耳をつけて従順な飼い犬っぽくするんだ！」

雨花「なんか曲がってるなぁ……」

橙「…………」

橙「(でも、雨花さんのケモ耳姿……正直に言うと……)」

「「めちゃくちゃみたい！！！！！！」」

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雨花「…………」

橙「あらぁ！」

化茶「に、」

「「似合ってる！！！！」

雨花の耳には黒い犬の垂れケモ耳が生えていた。

雨花「なんか恥ずかしいなぁ……」

橙「いやいやめちゃくちゃ可愛いですよ！！信じられないくらい似合ってます！！」

化茶「犬の耳を付けただけでこうなるとは……雨花はやっぱり可愛い……絶対いつかアタイのモノに……」

雨花「約一名変態がいるし……」

化茶は何枚も雨花に向けて写真を撮っている。中には雨花にチェーンのついた首輪をかけてそのチェーンを持って雨花を家畜のように扱っているかのような写真もあった。

化茶「なぁなぁアタイと遊ぶの楽しいだろう！！このままアタイのモノになりたいって想っただろ？」

雨花「想ってません」

化茶「このままアタイと甘い一時を過ごしたいって想っただろ？」

雨花「想ってません」

化茶「アタイといつまでも一緒にいて心も体もアタイ色に敷き詰めて欲しいと想っただろ？」

雨花「想ってねぇつってんだろ。」

「なぁあめ……」と、化茶がまた話しかけようとすると、

化茶「ん？わぁぁぁぁ！！！！」

化茶の下に黒と紫の混ざったバツ印の紋様が浮かび上がる。そしてそこから大きな黒い穴が開き、化茶は落ちていった。

雨花「やっと落ち着いた」

橙「今のは一体……？」

雨花「今のは妖怪たちが住んでる「無法地帯」に飛ばしただけ。あの子本当にしつこいんだもん……はぁ……」

橙「でもとても可愛かったですよ？ケモ耳！」

雨花「そうかな？笑ありがとう！」

そして、「じゃあ仕事に戻ろう！」と雨花と橙は業務に戻ったのだった。いずれこの「ケモ耳をつけた雨花」の写真があの世中のSNSに拡散され、雨花が青い顔をして化茶をしばきまわしたのはまた少し先のお話。