第19話

???「ねぇ遊園地行かない?」

???・???「遊園地?」


ここは冥府。もう恒例になったかのように「紫雲雨花」の仕事部屋で、「雨花」と「不山橙」。そして、「桃時」が話し合いをしている。


雨花「なら桃時ちゃんと兎白くんと橙ちゃんと瑠璃くんで行けば良いんじゃない?ダブルデートって奴!」

桃時「あんた独り仲間はずれみたいじゃない。そんなのは嫌よ。それにいつメンで行ったほうが楽しいの!アタシは!」

雨花「そうなの?まぁみんなに任せるよ!」

橙「私も別に行っても良いんですけど、あの世に遊園地なんてあるんですか?」

桃時「あら、あんた知らないの?新しく黄泉比良坂にできたのよ。上の神様たちがこの世の人間がつくった遊園地に興味を示したみたいで急ぎで作らせたみたいよ。」

橙「急ぎで……」

雨花「へぇ楽しそう!行かせて貰えるなら行きたい!」

橙「私も別に良いですけど……」

桃時「分かったわ!チケット頼んでおく!」


橙は想った。あのいい加g……行為一つ一つが大分忙しい方たちが作った遊園地で無事に過ごすことが出来るのかどうかと……。


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???「よぉし……みんな揃ってるか?」

???「えぇ揃ってるわ」

???「揃ってます」

???「わたしは大丈夫だよ〜」

???「俺もだ」


瑠璃人が雨花たちが揃っているか点呼を取った。全員揃っているようだ。


桃時「じゃ早速行きましょ。このバスに乗ったらすぐ着くわ。」


雨花一行はバスに乗り込み、遊園地へと向かった。


桃時「どんな遊園地なのかしら?」

兎白「ん?お前知らないのか?俺はてっきり知ってるものかと……」

桃時「それが調べたんだけどどこ探してもホームページが見つからなくて……」

雨花「じゃあどうやってチケット取ったの?」

桃時「あぁそもそも私の上司が上の神様と仲が良くて遊園地の話を聞いてその伝手で友達と行ってきなさいって言われてチケット人数分用意して貰ったのよ。あの上司どこかふわふわしてて遊園地の話の詳細があんまり理解出来なかったけど……だから遊園地のことは何も知らないのよ」

雨花「へぇそうなんだ!」

兎白「ならますます楽しみだな。サプライズにしておこう。」

橙「…………瑠璃人さん……」

瑠璃人「あぁ言いたいことは分かるぞ。橙。」


「「私たち・俺たち無事に遊園地で過ごせるのか…………?」」


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雨花「着いたね!」

桃時「趣があって良いじゃない!」

兎白「そうだな。こういう遊園地は初めてだな。」

橙・瑠璃人「…………」


目の前にある遊園地━━━━は、とても遊園地とは言えないほど欠陥していた。

ジェットコースターの支柱は軋んでいて、メリーゴーランドは屋根が今にも倒れて来そうな作りになっている。


橙・瑠璃人「帰りましょう・帰ろう」

桃時「は?何言ってんのよ。折角ここまで来たのに。じゃんじゃん乗っていくわよ!」

雨花「私ジェットコースター乗りたい!」

兎白「俺は観覧車乗りたいな。」

橙「いやいや皆さん!?!?あのジェットコースターみてくださいよ!?支柱が今にも折れそうじゃないですか!!他にも問題だらけのアトラクションが山のようですよ!!」

瑠璃人「そうだな!どう考えてもこの遊園地は……」


「「「「やばい!!!!」」」」


桃時「そういうテイストなんでしょ。」

兎白「あぁ、そういう設計なんじゃないか?ちゃんと運営もしてるし欠陥遊園地では無いはずだぞ?」

橙「雨花さんはどう想いますか?」

雨花「わたし?早くジェットコースター乗りたい!!」

瑠璃人「もしかして……まともなのオレたちだけ?」

橙「そうみたいですね……」


橙・瑠璃人「(どうしよう……!!!!)」


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雨花一行は、無事遊園地に着いたのだが、そこはとても遊園地とは言えない欠陥品だらけのアトラクションしかない遊園地だった。しかもこのメンバーでまともなのは橙と瑠璃人のみである。これからどうなるか……!


桃時「アタシもジェットコースター乗りたいわ!乗りましょ!折角だし女子3人で!」

雨花「良いね!!乗ろ乗ろ!!」

橙「い、いや私は……ちょっと……」

桃時「何言ってんのよ。早く乗るわよ!」

橙「そ、そんなぁ……!!」

兎白「じゃあ俺たちはメリーゴーランドに乗ってくる。後でここで集合しよう。」

桃時「そうね。そうしましょ!」

雨花「イェーイ!行こ行こ!」

瑠璃人「あ、あのメリーゴーランドに?あの今にも倒れてきそうなあの屋根のメリーゴーランドに……?」

兎白「ほら。行くぞ?」

瑠璃人「えっえぇぇぇぇ!?!?」


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橙「本当に……本当に……大丈夫なんですか……?!」

桃時「さっきからあんたは何をそんなに怖がってるの?」

雨花「あっジェットコースターもう来たよ!今日はわたしたちしかいないもんね。貸切だ!!やったね!!」

橙「絶対そうじゃないと想います……」


橙サイドでは、もうジェットコースター乗り込んでいた。


雨花「楽しみだなぁ……!」

桃時「アタシもあんまりこういうなんというか楽しい気持ちで行ったことないから楽しみね!」

橙「み、皆さんのキラキラした目で追い詰められてとうとう乗ってしまった……大丈夫なんでしょうか……?」


ジェットコースターが動き出した。


「皆さん、ようこそゴッドネスランドへ!このジェットコースターは、阿鼻地獄をモチーフにされているアトラクションで阿鼻地獄の落ちる時の快感が堪らないという亡者Aさんから頂いたコメントを元に作られたジェットコースターです!皆さんもその亡者さんのように楽しんでください!!ではさよらなら!!阿鼻地獄へ行ってらっしゃい!!」


橙「…………」


「「(はぁぁぁぁ!?!?何ですか!!地獄をモチーフにしたジェットコースターって!!亡者Aって誰ですか!!その強者一体何者なんですか!!何地獄をエンジョイしてるんですか!!そしてこの遊園地「ゴッドネス」って言うんですか?!どこも「ゴッドネス」じゃないんですが?!?!最後「行ってらっしゃい」って言ってましたけど「逝ってらっしゃい」の間違いでは!?!?)」」


雨花「……ちゃん……橙ちゃん!!」

橙「何ですか!今私は頭を整理してるんですよ……って……」


橙の視界には体を落とさないようにするためのレバーが外れた雨花がいた。


橙「…………」

桃時「あら。」

雨花「あはは。どうしようこれ?」


そしてとうとうジェットコースターは、一番上に来て急降下して行った。


橙「いやぁぁぁぁ!!!!!!!!」

雨花「あはは。橙ちゃん抑えてくれてありがとう!!!!」

桃時「こんなことあるのね。」


三人は色んな意味でジェットコースターを満喫した。


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一方、瑠璃人サイドでは……


兎白「おーこの白馬かっこいいな。これに乗ろう。お前は何に乗るんだ?」

瑠璃人「いや、オレは乗らなくても良いかなって……」

兎白「何言ってる?ここまで来たんだし乗るべきだろ?」

瑠璃人「いやあんたどう考えてもおかしいだろ!!見ろよこの今にも倒れてきそうな屋根を!!」


兎白と瑠璃人は、メリーゴーランドに来ていた。


兎白「ん?趣があって良いじゃないか。」

瑠璃人「いや、趣あり過ぎだろ!!!!」


いいからいいから……と流され、結局メリーゴーランドに乗ることになった。


「皆さん、ようこそゴッドネスランドへ!このメリーゴーランドは輪廻転生をイメージしたアトラクションで、前世の記憶所持者Aさんのコメントを元に作られました!!輪廻転生がいかに神聖な行いかこのメリーゴーランドを通して分かって頂けることを願ってます!!輪廻転生は光速以上の速さで回転してると想う方もいれば、ナマケモノのようにゆっくり廻ると想う方もいるようです!!それを忠実にしたメリーゴーランド!!お楽しみください!!」


瑠璃人「…………」


「「(はぁぁぁぁ!?!?何だよそれ!!輪廻転生をイメージしたアトラクションって!!絶対ヤバいやつじゃん!!輪廻転生をイメージなんてどうすんだよ!!そんなものどうやって再現すんだよ!!絶対これ乗り物酔いするやつだろ!!!!ふざけんな!!!!前世の記憶所持者Aさんって誰だよ!!そんな人捕まえてまでこんな恐ろしいもん作るな!!ていうかこの遊園地「ゴッドネス」って言うのか?!?!どこも「ゴッドネス」じゃねぇぞ!!何が「お楽しみください」だよ!!「ご愁傷さまでした」の間違いだろ!!)」


メリーゴーランドの回転が徐々に早くなっていく。そして音速を超えて回転したかと想えば、今度はカタツムリのように遅くなるを繰り返していた。


兎白「おーかなり早いな……おっ今度は遅れたぞ。」

瑠璃人「あぶぶぶぶぶぶぶぶ……!」

兎白「お前泡吹いてるじゃないか!!大丈夫か!!」


この二人も、色んな意味でジェットコースターを満喫したのだった。


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桃時「あんたたち二人大丈夫?」


桃時の前にはどっと疲れた顔をした橙と瑠璃人がいた。


橙「阿鼻地獄ジェットコースター……」

瑠璃人「泡吹くメリーゴーランド……」


「あんたたち何言ってんのよ……」と言いながらも桃時は心配していた。


「(そんなに怖かったかしら……?)」


雨花「おーい三人とも!!とりあえずお茶買ってきたよ!!これで少し休憩しよ!!」

兎白「一応、水も買ってきた。」

橙「ありがとうございます……はぁ……少し落ち着いてきました。」

瑠璃人「オレもありがとうございます……オレも少し楽になってきました。」


橙も瑠璃人も段々と落ち着いてきた模様。


桃時「でも、またアトラクション乗ったら体調悪くなるんじゃない?帰る?」

橙「いえいえ……!そんなことするのはダメです!!だって桃時さんすごく楽しみにしていたじゃないですか!」

瑠璃人「兎白さんだって楽しみにしていたし……」

兎白「でも友人が怖がってるのに無理に乗せる訳にもいかないだろ?俺たちなら大丈夫だ。」

桃時「そうよ?あんたたちにあった遊びなんていくらでもあるんだから!」

橙「で、でも……」

瑠璃人「うーん……」


四人が考えあぐねていると、雨花が提案してきた。


雨花「なら、アトラクション乗らないで遊園地楽しめば良いんじゃない?遊園地ってアトラクションだけが醍醐味じゃないし!ご飯食べたり、パレード観たり……とか!誰かが沢山我慢する上で成り立つ遊びってやっぱり誰かが苦しむことになるんだから、お互いの意見を正直に言ってお互いにとって一番良い案を考えれば良いんだよ。もちろん自分の想い通りに全部はいかないけど、「我慢」と「尊重」は違うからね。「我慢」は自分の意見をそのまま押さえつけて言わなかったり言えなかったりして無かったことにしたりすること。「尊重」は自分の意見も言って大切にしたいところを相手の大切にしたいところと一緒にやること。だからお互いを「尊重」するべきだと想う!その方法を一緒に考えよ!どうかな?」


橙たちは微笑んでお互い相槌を打つ。


桃時「そうね。じゃあ夕方から始まるパレードがあるみたいだからそれまでレストランにでも入って待つのはどう?」

橙「私は賛成です!」

瑠璃人「オレも!!」

兎白「俺も問題ない」

雨花「わたしも!」


こうして雨花一行はレストランでパレードが始まる時間まで待つことにした。


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どんどんぱーしゅるるじゃーん


華やかなパレードが始まった。


雨花「わたしたち以外誰もいないから好きなとこからパレード観れるね!」

橙「はい、綺麗ですね。」

桃時「よしよし橙の笑顔もいつも通りに戻ってきた!」

兎白「瑠璃人も笑顔だな。良かった。」

瑠璃人「こんな綺麗なパレード観たら、笑顔になりますよ笑」


わいわいがやがや。雨花一行はとても楽しく遊園地を過ごすことができた。


後日、あの遊園地が何故あんな状態なのかよくよく聴いてみると、上の神様たちが急ぎで作らせた業者の人が上の神様の命令に嫌気がさし、いい加減に作ったようで、その結果、ホームページを作らなかったのもあり、その遊園地は誰も知ることもない遊園地になり、上の神様はそんなこと知る訳もなく、上の神様から「遊園地が建った」という話を聞いてた桃時の上司のみが遊園地の存在を知っていて、それを桃時に話し、チケットをあげたのが原因だった。ちなみに、それを知った橙と瑠璃人は、その業者を突き止め、鬼の形相で怒る橙を止めつつ瑠璃人もいい気味だと想ったのは別のお話。

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