ダンジョン配信で遊ぼう!

雪狐

第1話

新作開始!

ん?前の奴?

全然続き書けないんですよぉ!

書こうと頑張っても、書けない...行き当たりばったりの怖いとこでたな...

という訳でこれもそのうち書かなくなりそうですが新作スタートです!

応援してくれると嬉しいです!


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「はぁ、はぁ〜...馬鹿なんでしょうか、馬鹿ですね!

流石に強すぎんですよぉ...!!」


とある廃れた神殿、その最奥には亜空間へと繋がる裂け目があった。

亜空間の中には、どう見積もっても中学生以下にしか見えない程度の幼い少女が一人座り込んでいた。


「片腕に片目にぃ...ん、感覚的に内蔵もいくらかイカれてますかねぇ...

はー、”龍の魂石”を取ってこいなんてぇ...」


座り込んでいる少女の下には、途方もない大きさの龍が死んで、横たわっている。

どうやらこの亜空間にはこの龍が住んでいたようだ。


「あはぁ、ですが楽しかったですねぇ...

あ、このままじゃ失血死しちゃいますぅ...

止血しましょうかぁ...」


渋々といった様子で止血を始める。

どうして渋々かというと...


「いったいんですよねぇ...」


少女の言う通り、止血は痛い。

どうして痛いのかは、傷口を焼くくらいしか今出来る止血方法は無いからだ。

即ち、今から傷口を焼く。


少しの間、少女しか居ない空間に苦悶の声が響く。

痛いのには慣れているようだが、それはそれ。

わざわざ痛い思いをしたい訳では無い。


「んー...そろそろ魔力も少しは回復しましたかね...

さてさてぇ、帰りましょうかぁ、ノエルに治して貰わないとですしねぇ...

次元収納ディメンションストレージ》...っと、じゃあ帰りましょう...《空間転移》ぃ」


次の瞬間には、その空間には何も居なかったかのように消えていた...

激しい戦闘の証拠に、血溜まりと破壊痕を残して。




「ただ今戻りましたぁ。

ノエル〜、頼まれた通り”龍の魂石”、とってきましたよぉ」


「...!!

あ、ありがとう、レーナ、おかえりなさ...!?

そ、その怪我...!?」


「んぁ?

あー、流石に強かったですよぉ...

はいこれぇ。」


ノエルと呼ばれた少女は、心底驚いた表情でレーナと呼ばれた少女を見つめる。

龍の魂石というアイテムの為には龍を倒さないといけないのは知っていたはずなのに、どうして驚くのだろうか...


「あ、ありがとう...大きくない?

《鑑定》...!?

れ、れ、れーな、こ、これって...!?」


「どうしましたぁ?

間違ってないですよねぇ?

あ、取り敢えず治療下さいなー」


「あ、う、うん、《最上級回復魔法エクステンドヒール

って、それも大事だけど!

これって時空の始祖龍の魂石じゃない!?」


「あはぁ、流石の回復魔法ですねぇ...

そう言えばそんな名前の龍でしたっけぇ...

どうせならいちばん強いヤツのほうがいいかなぁって思いましてぇ。

ボクの知ってる中でいちばん強いヤツを狩って来ましたよぉ。」


レーナが再生した部位を軽く動かしながら心底驚いているノエルになんでもないように言う。

どうやら狩ってきた相手が予想外の相手だったらしい。


「いや、いやいや、何で勝ててるの!?

アレ、一体レベルいくつの相手なのよ!?」


「んー、鑑定は無いのでなんとも言えませんけどぉ、今まで戦った相手の中ではダントツでしたねぇ...

新しいスキルを覚えたりも出来たので満足ですぅ」


「...今まで私も行った中でいちばん強かったのは、確か雷の龍王だったよね...

鑑定ではあの龍王はレベル2600だったけど、それとは比べ物にならないくらいだったの...?」


「えぇ、えぇ、あんなのアレと比べたら雑魚ですよぉ?

多分レベル4000はありましたねぇ...

何度死にかけましたかぁ...」


やれやれとばかりに首を振りながら言うレーナ。

それに対して驚きと呆れを半々に感じながらノエルは言う。


「そこまでの相手の素材使える気しないんだけど...!

まぁ、この魂石なら、予定を変えてもいいかも...!」


「はて?

このゴミみたいな国から別の大陸の国まで転移するアイテムを作る予定でしたよねぇ?

一体どう変えるんですぅ?

ノエルを殺そうとしたゴミみたいな国ですしぃ、ボクがこの国滅ぼしてもぉ?」


「それはダメ!

こんなんでも一応私は王族だから...

例え殺されることになっても、国民を最後まで守る義務があるの。

って、そうじゃなくて、えっとね、どうせ別の国に逃げても、いずれ追いかけて来られると困るから、いっその事”別の世界”に逃げちゃおう!」


ノエルが自信満々とばかりに言い放つ。

それに対して、何言ってんだこいつ、と思いながらレーナは呆れた目を向ける。


「何言ってんですかこいつ」


否、思いながら、ではなく言い放った。


「不敬!!

不敬だよレーナ!!

私一応王族だよ!!

...追われてるけど」


「あはぁ、すいませんねぇ、つい思ったことを言っちゃいましたぁ☆

そんな事よりぃ、別世界に行くってどうやってですぅ?」


「むぅ、まぁ、いいよ、許す!

そんな事って何!?

ま、まぁ、いいや...

えっと、元々私たちを狙う人から隠れながら亡命する為に作ろうとしてた《空間転移の鍵》、あるよね?」


「えぇ、ありますねぇ?

その為に龍の魂石が必要でしたしぃ。」


「そう!それ!」


「はて??」


それ、と言われてもなんの事かよく分かっていないレーナは、首を傾げる。

何が言いたいの?と言わんばかりの表情をノエルにむける。


「えっとね、本当は火龍の魂石とか、その辺の素材で良かったんだよ。」


「そうですねぇ?

どうせなら強いやつの方がいいかなぁって思いましてぇ...」


「うん!

そこなんだよ!

レーナが狩って来た時空の始祖龍、この龍には世界を超える力があると言われているの!

だからね、それを使って追われる事はないと思うんだ!」


「まぁ、それはそうでしょうけどぉ、転移先が安全と言う証拠はありますかぁ?」


「...ない、けど...」


「じゃあやめといた方がぁ」


「でも!!

レーナがいつでも守ってくれるって信じてるし、何より...

そういうギャンブル、やりたくない?」


笑顔を浮かべて言い放つノエル。

王族なのにどうしてこんな性格になったのか...

そんなことを考えながらも、正直言うと心が踊っているのをレーナは自覚する。


「やれやれぇ、仕方ないですねぇ。

どんな危険な場所でもボクが守ってあげますよぉ、お姫様ぁ?」


「ふふ、任せたよ、私の騎士様!」


と、こんな感じにもう別世界に行くような雰囲気を出しているが、まだアイテムは作ってない。

もう一度言おう、まだアイテムは無い。


「よーし、作るから1週間くらい待ってて!」


「今すぐ行く気満々だったんですけどぉ!?」


...締まらないなぁ。





まぁ、そんなこんなで一週間が経つ。

錬金術で作るのだが、何度か失敗もする。

今までに無いほどの高いのアイテムを作るのだから致し方ない。


「れ、レーナぁぁ!!!」


「ノエル!?

一体何したらそんな生物生み出すんですかァ!?!?」


...謎の触手生物が生み出されてノエルが捕まったりしたのは致し方ないことなのだ。





「ふぅ...完成したわね!!

ここまで長かったし大変だったわ...」


「ノエルの生み出す謎の生物兵器を処理するのが大変でしたねぇ?」


ジト目をノエルに向けるレーナ。

どうやらノエルも自覚はあるのか、目を逸らして冷や汗をかいている。


「と、とにかく、《異世界転移の空間鍵》は出来たし、心の準備が出来たら行こ!」


「はぁ〜...まぁ、いいですよぉ。

ボクは何時でも準備大丈夫ですしぃ、行っちゃいましょうかぁ。

扉はどこにぃ?」


鍵こそあれどその鍵で開けるような扉はどこにも見当たらない。

別の場所にあるのかと思いノエルに問いかけるレーナ。

ただ、思い出して欲しいのは、名前だ。

そう、《異世界転移の》だ。


「ん?

扉なんてないよ?」


「んぇ?

じゃあどうやって...」


「それはね、こうやって…えい!

って、わぁぁぁっ!?!?」


「んぁぁっ!?!?

せめて一声かけやがり下さいなぁ!?!?!」


レーナが首を傾げている中、突然何も無い所に鍵を差し込むような素振りを見せたかと言うと、ガチャリ、という音が鳴り空間が


その結果、その裂けた空間に吸い込まれるように二人は時空の裂け目に入っていった。

先に吸い込まれたノエルと、それに追従して自分から飛び込むレーナ。


そしてレーナがノエルのうでを掴み、その豊満な胸にノエルを抱くと、何があっても対応できるように警戒をする。


そのまま時間が過ぎること10秒?1分?はたまた一日かもしれない。

急に何も無い真っ白な空間から、辺り一面青一色の場所へと出た。


「...んへぇ?」


「...へ??

きゃぁぁぁっ!?!?」


「うわわ!!

急になんてどうなってんですかァ!!!

まぁ、このくらいなら普通ですか…

とりあえず、《飛行魔法フライ》」


「...って、このくらいよく考えたら別になんともないね。

浮遊フロート》《風膜ウィンドフィルム》」


二人とも突然空中に投げ出されたことに対して驚いていたが、すぐさま魔法を使い飛ぶ。

世界を超えるという初の試みを為そうとしていた為驚いたが、普段なら動揺の一つもしないで魔法を使えるくらいには二人とも場馴れはしている。


二人が投げ出されたのは超高高度。

その為空気が薄いのと、それ以前に凄まじく寒い。

ノエルが張った風の膜が無ければ息苦しさと寒さに襲われていただろう。


まぁそんな事をしながらゆっくりと降りること一時間弱。

漸く地上に降りれたが、何故か注目を浴びている。


何故か?

答えは簡単。

ここが”日本”という国だからだ。


だが注目なんて知ったことかとばかりにレーナは自分の居る世界がどんな所かを油断のない視線でパッと把握する。


「ノエル、ここはどうやら安全そうですよぉ?

魔物の気配はするので完全に安全な世界とはいきませんがぁ、前の世界よりは弱い気配しか無いので問題ないですぅ。」


「ん...とりあえず、注目されすぎてるのは落ち着かないし、何処か森でも探そう...ん?」


二人で話していると、近付いてくる気配がする。

どうやら警察が来たようだ。


「き、キミ達、空から降ってこなかったかい...?

えっと...だ、大丈夫?」


心配するような声で話しかけてくる、かなり若く見える男性の警官。


「空からですかぁ?

えぇ、その通りですよぉ、見たら分かりませんかねぇ?」


「レーナ!

この人は心配してくれたんだよ!

そんな言い方したら失礼でしょ!」


「あ、えっと、日本人には見えないんですけど、ご姉妹で旅行ですか?

それとも”ダンジョン攻略”に?」


鼻で笑うように言うレーナと、それを窘めるノエル。

二人の外見通り妹を窘める姉のような構図になったが、実を言うと小さい妹のようなレーナの方が歳上。


「にほんじん...なるほどぉ、ここの国の人かどうか聞いてるんですねぇ?

ボク達はそうですねぇ...旅行のようなものですよぉ。」


レーナが警官に対して答える。

異世界から来た、と言っても信じて貰えないのは明白。

それよりも気になったのは、”ダンジョン”という言葉。


ダンジョンとは、魔物や罠が凄まじい量潜んでいる危険地帯。

一般的には洞窟型が多いが、稀に塔だったり縦穴だったりする。


しかし今気になっているのはダンジョンという危険な物がこの平和そうな世界にあることについて。


ダンジョンに湧く大量の魔物を定期的に沢山間引かないと地上に進出してくるのだ。

その為かなり危険なのだが、この世界にはどうやらそれがあるらしい。


「それよりもぉ、ダンジョンってどんなダンジョンなんですかぁ?

深さとかぁ、気になりますねぇ。」


「どんなダンジョン...?

ダンジョンはダンジョンだよ?

深さは、えーと、今のところ60層まで攻略されていて、それより下は分からない、かな。」


「「え??」」


レーナとノエルが同時に聞き返すような声を出す。

彼女達の世界では、ダンジョンは最低1000層で、駆け出しと言われるレベルの鉄等級冒険者ですら50層くらいをメインに探索するレベルなのだ。


それなのに、この世界での最前線は、60層。

前の世界と比べて強い敵が多いのだろうか?


それとも、一度行った階層に転移できる、《転移門》が無いのだろうか?

そんなことを思う。


「ありがとうございましたぁ。

ではまた、機会があれば会いましょう〜。」


「あ、色々教えてもらいありがとうございました!

では、また!《空間転移》」


注目され続けるのは好きではないため転移でその場から消え去った。


「うぉぉぉ...!!

今の子達、くっそ可愛くね!?!?」


「なんかのモデルかな!?

いや、でも聞いたこともないよなぁ!

え、てか空から降ってきたと思ったらなんか消えたんだけど!!」


「あれか!?

俗に言う飛行魔法だったり、転移だったり!?」


「いやでもそんな魔法聞いたこともないぞ!!」


「それにそんな高難度っぽい魔法レベルいくつで覚えれんだよ!」


「ヤバ、降ってくるところも、消えるところも全部動画撮れちゃった...!

え、勝手にネットに上げちゃダメだよね?」


「え!

嘘!私にもその動画ちょうだい!」


「う、うん!

ネットに上げたいけど...だ、大丈夫かな...!?」


「急にこんな所に現れてあんな目立つことしたんだし誰か勝手に上げてると思う!

だから別にいいと思うな!」


...その場から消え去った後に大騒ぎになり、前の世界では想像もつかないような情報伝達速度があるとは思いもせずに、二人はごく自然とどこかに行った。


そしてこの事はすぐに世界に広まり、世界中で様々な憶測が飛ぶが、本人たちは何一つしらない。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここまで読んでいただきありがとうございました!

近況ノートにノエルとレーナのイラスト(AI絵)貼ってるので、良ければ見てください〜!

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